全米オープンHISTORY ?バルタスロールの死闘から35年、日本人選手名シーンプレイバック?
2015年6月17日(水)午後6:30
4つのメジャー大会の中でも、特に難易度の高いセッティングで行われる「全米オープン」。
世界のトッププロがこの大会に照準を合わせながら、毎年、優勝スコアがイーブンパー前後になっていることでもその難しさがわかります。第115回目となる今年の大会は、2007年に開場したワシントン州チェンバーズベイGCで行われます。
大会初日はゴルフネットワークで6/18(木)深夜1時から翌午後1時まで、なんと12時間に渡り長時間生中継
帝王ニクラウスとの激闘
【1980年 2位 青木功(Getty Images)】
日本人にとって「全米オープン」と言えば、なんといっても1980年のバルタスロールGCで行われた大会。当時全盛期だった帝王ジャック・ニクラウスと4日間同組となった青木功プロは、最終日最終組首位タイ。最終日残り9ホールまで2打差と追いつめ、帝王ニクラウスとの一騎打ちを演じますが、最後はニクラウスが17番、18番で連続バーディを奪い、優勝。青木プロは惜しくもニ打差で敗れましたが、後に「バルタスロールの死闘」として語り継がれるようになり、日本男子がもっともメジャーに近づいた瞬間でした。
しかし、それ以降、日本人選手が「全米オープン」で活躍するケースはあまりありません。
日本では経験することのできない難しいコンディションやメジャー独特の重圧などで、思うように実力を発揮できない事が多いようです。2000年以降に出場した日本人選手では、予選を突破する確率はおよそ40%(※のべ60名中、24名)。日本人が最も苦戦しているメジャーといえます。
今回はその中でも日本選手が活躍した大会を振り返ってみます。
最終日最終組、ジャンボがメジャー制覇に近づいた年
【1989年 6位 尾崎将司(Getty Images)】
1989年、オークヒルCCで行われた大会では、"ジャンボ"こと尾崎将司プロが最終日最終組でプレー。バックナインに入って一時トップに立つほど優勝に肉薄しました。
尾崎プロは前年の日本ツアーで6勝をあげて賞金王。圧倒的な強さで優勝を重ねており、実力は世界でもトップクラスという声もありました。そんな評価に応えるように、メジャーの舞台で圧巻のプレーを見せますが、14番で3パットのボギー。その後、連続ボギーとなり、最終的に6位に終わりました。
前年88年の日本オープンでは、有名なウイニングパットの2度の仕切り直しがあり、既にパッティングに微妙な不安を抱えていたのかもしれません。とはいえ、海外の試合に弱いという声もある尾崎プロですが、当時、紛れもない世界のトップクラスだったことを証明した試合でした。
タイガーを圧倒した2004年の丸山茂樹
【2004年 4位 丸山茂樹(Getty Images)】
これまでの戦歴を見てみると、日本ツアーから出場資格を得てスポット参戦する選手よりも、PGAツアーを主戦場にしている選手のほうが活躍している傾向が顕著です。
2000年代初頭にPGAツアーで奮闘していた田中秀道プロは、2002年37位、2003年15位、2004年36位と予選を突破し、10代にアメリカに留学してツアープロになった今田竜二プロは、2005年15位、2006年12位、2008年は18位と得意のショートゲームを武器に、安定して上位に入っています。
中でも優勝に近づいたのは、2004年の丸山茂樹プロです。
丸山プロは前年までPGAツアー3勝。これは現在も日本人最高の成績です。2002年には「全英オープン」で一打差の5位。そして伊澤利光プロとのコンビでワールドカップも制しています。文字通り世界のトッププロと言える存在でした。
2000年には「全米オープン予選会」に出場し、前半「58」のラウンドで本戦出場権を獲得、全米オープン初出場を果たしました。その年は予選落ち、2002年は16位、2003年は予選落ちと全米オープンのタフなコースセッティングに苦しめられました。
そして2004年、シネコックヒルズGCで行われた大会、当時メジャーで複数回優勝を果たすなど絶対的な強さを誇っていたタイガー・ウッズと予選ラウンドで同組となった丸山プロは2日目終わってトップタイに。タイガーを圧倒するプレーを見せ日本中を沸かせました。
(写真提供:Getty Images)
トップタイとして迎えた3日目にはフィル・ミケルソンと同組に。当時世界ランキング2位のアーニー・エルス、2001年の全米オープンチャンピオンのレティーフ・グーセンら強豪と渡り合い、全米ならではの難易度の高いセッティングの中、ボギー先行となる我慢比べラウンドとなりましたが、4位タイというメジャー自己最高位の成績を残しました(※優勝はR・グーセン)。
初出場の日本勢も活躍!2010年石川は予選ラウンド終えて2位、2013年松山は最終日猛チャージで10位
【2010年 予選2位 石川遼(Getty Images)】
日本ツアー勢では、初出場となった2009年に36ホール終わって暫定4位タイ、最終的に27位と奮闘した矢野東プロの活躍が記憶にあたらしいところ。
今年、地区予選会を突破して3年ぶりの出場となる石川遼プロは、日本ツアーを主戦場としていた2010年に(当時18歳)、ペブルビーチで開催された大会で全米初出場。予選ラウンドはトム・ワトソン(当時60歳)とロリー・マキロイ(当時21歳)と同組という豪華ペアリングの中、2日目終わって2位タイと同組のマキロイを上回り、初出場ながら大躍進を見せて予選突破を果たしました。(※最終成績は33位タイ)。
【2013年 10位 松山英樹(Getty Images)】
今年、優勝候補にもあげられる松山英樹プロは、同じく日本ツアー時代の2013年に全米オープン初出場にして、最終日大会ベストスコアに並ぶ「67」をマークし、順位を大きく上げて10位タイに入りました。
スポット参戦でも予選突破、上位進出も十分にありえます。PGAツアーのメンバーである松山プロ、石川プロのほか、今年日本ツアーから参戦する藤田寛之プロ、川村昌弘プロ、薗田峻輔プロにも大いに期待がかかるところです。今回舞台となるチェンバーズベイGCは、トッププロの大会がはじめて行われるということもあり、コースを知っているという点では、例年よりもPGAツアーの選手との差が少なくなるとも言えます。
難コースでの日本人選手の活躍に注目です。
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メジャー特別番組「LIVE FROM 全米オープン」6/16(火)より連日放送
全米オープンゴルフ選手権に関する情報を臨場感あふれるリポートでお届けする特別番組「LIVE FROM 全米オープン」。注目選手の記者会見の模様や大会事前情報、コース解説など、全米オープンを余す事無くお送りします。大会期間中には「全米オープン」生中継前に注目組の紹介やスタート前の練習模様など直前レポートをLIVEでお届け。中継後には大会ハイライトやホールアウト後のインタビューなど結果速報もお送りします。
今週はゴルフネットワークで一日中「全米オープン」ざんまい!
4日間合計42時間を超える生中継!6/18(木)開幕「全米オープンゴルフ選手権」
4大メジャーの中でも最も難しいセッティングで行われ、「世界で最も厳しいゴルフの試練」とも呼ばれる全米オープン。ゴルフネットワークでは、「全米オープンゴルフ選手権」をゴルフ専門チャンネルならではの全ラウンド長時間生中継でお届けします。
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