午前「72.2」午後「73.1」スコアメイクの鍵はパッティングとスタートタイム?
2015年6月19日(金)午後6:50
全米オープンが開幕。大会前からこれまでの全米オープンにはない全面フェスキューのリンクスコース「チェンバーズベイ」での開催に、各選手がどういったプレーを見せるのか?スコアにも注目が集まっていました。
今回はいろんなデータから大会初日を振り返ってみましょう。
スコアメイクの鍵はパッティング?初日トップ二人の共通点
(写真提供:Getty Images)
まず初日トップに立ったのはヘンリック・ステンソンとダスティン・ジョンソンの二人。難コースを相手に「65」のビッグスコアをマークし、5アンダーで首位に。
初日の平均飛距離は336.5Y(8位)と持ち前の飛距離を武器にコースを攻略したジョンソン。
一方のステンソンは平均飛距離は300.5Y(90位T)とフィールド平均を下回り、パーオン率77.78%(20位T)とそれほど目立ったスタッツは無いがピンに絡む正確なショットで、バック9の14番から5ホールで4バーディを奪ってスコアを伸ばしました。
二人の共通点と言えば、パッティング。
初日のフィールド全体の平均パット数は1.83(約 32.94)と、多くの選手がポアナとフェスキューが混じったグリーンの芝に苦しめられました。世界No.1のR.マキロイでさえも34パットと、通算2オーバーの52位タイで初日を終えました。
そんな中、初日のパッティングランキングを見ると、ステンソンが1.50(27)で1位、ジョンソンが1.56(28)で3位と上位に。
【初日のパット数ランキング】
1位 H.ステンソン:27
1位 B.キャンベル:27
3位 D.ジョンソン:28
3位 A.スコット:28
3位 O.シュナイダージャンズ:28
スコアメイクの鍵を握るのは“パッティング"となるのか?二日目以降もグリーン上の戦いに注目です。
午前「72.2」午後「73.1」 朝の早いスタートが有利?午後は荒れたポアナのグリーンに苦戦
大会初日、アンダーパーで回ったのは首位の二人を含め、14位タイまでのわずかに25人。世界一過酷なコースセッティングで開催される全米らしいリーダーボードとなりました。
上位陣を見ると、ステンソン、ジョンソンをはじめ、P.リードやM.クーチャーら午前スタート組の選手が多く占めました。
【初日のリーダーボードTOP5】
1位 H.ステンソン:-5
1位 D.ジョンソン:-5
3位 P.リード:-4
4位 M.クーチャー:-3
4位 B.マーティン:-3(※)
4位 B.キャンベル:-3 (※)
※午後スタート
「LIVE FROM全米オープン」で解説を務める佐藤信人プロは「朝はグリーンがソフトでボールが止まりやすい状況でした。午後はグリーンが固くなってくるので、初日は午前スタート組の方が良いスコアが出ました。」と午前有利と分析。
初日の156名全選手の平均スコアを午前と午後で比較してみると、午前の平均が【72.2】に対して午後が【73.1】と午前が約1ストローク良い結果に。
(写真提供:Getty Images)
現地リポーターのレックス倉本プロも、「USGAは前日に散水しているので朝早いスタートの選手はソフトなグリーンでプレーできますが、午後は乾いて固くなります。特に朝早いスタートだったミケルソン、松山など最初の9ホールでスコアを伸ばす選手が目立ちました。」とグリーンのセッティングがスコアへ影響している点を指摘しました。
さらに今回のグリーンについて、「午後になるとポアナ芝が荒れてラインが読みづらくなります。また、練習グリーンはカチカチで、ほとんど土の上で練習しているような雰囲気ですが、コースでは固さやスピードが変わるので各選手戸惑いもあるようです。さらに、傾斜もあるのでグリーンも乾きやすいホールと乾きにくいホールで差があるのもパッティングのタッチが難しくなる要因でしょう。」と選手を惑わすポイントを解説。
午後組が不利とも思われるコンディションの中、2アンダーで回ったJ.スピースやJ. デイは健闘したと言えるでしょう。
一方、午後組で大ブレーキとなったのはT.ウッズとR.ファウラー。同組でのラウンドとなった二人は、ウッズが10オーバー「80」、ファウラーが11オーバー「81」で156名のフィールドで後ろから数えて3番目以内に入るという結果に。
二人のスタッツを見ると、ファウラーはパーオン率44%、33パット。ウッズはパーオン率50%、36パットとグリーンを捉えるのに苦労したことに加え、やはりパッティングにも苦戦した結果であることがわかります。
有利な状況となる午前スタートの2日目にウッズ、ファウラーがどこまでスコアを伸ばすことができるのか注目です。
予選カットラインは?石川遼「パープレーで回れば予選突破のチャンスもある」
60位タイまでが決勝ラウンドに進む全米オープン。初日終了時点でのカットラインは2オーバー(52位タイ)。
優勝スコアをイーブンパー前後に設定すると言われている全米オープンですが、過去5年のカットラインを振り返ると4オーバー以上という結果になっています。
【過去5年間の全米オープンカットライン】
2014:+5
2013:+8
2012:+8
2011:+4
2010:+7
4大メジャーの中でも例年日本人選手の予選通過が少ない全米ですが、初日を終えて松山英樹と川村昌弘がイーブンパー、藤田寛之が2オーバーで予選通過圏内に。石川遼は4オーバー(98位タイ)、薗田峻輔が8オーバー(141位タイ)から決勝進出を狙います。
注目は初日午後スタートだった石川。各選手がスコアメイクに苦しむ午後組の中で、1バーディ、5ボギーの「74」でホールアウト。
石川「ボギー先行でバーディが取れないラウンドになってしまった。グリーンは上りとアゲンストは非常に重いと感じた。ミスもあったけど良いショットもあった。失敗してもリカバリーすることが大事なので逃げずに攻めて行きたい。明日パープレーで回れば予選通過もあると思うので頑張りたい。」(LIVE FROM 全米オープンより)
予選カットラインは?初日午前組の巻き返しは?全米オープン2日目も見所満載です。
大会2日目は6/19(金)深夜1時から12時間に渡り生中継。翌20(土)午後1時までLIVEでお送りしますので、深夜に起きているのが辛い方も起床後にゴルフネットワークの生中継でお楽しみ下さい。
【関連リンク】「どこに打つの!?」グリーンの傾斜に注目!今年の全米OPはフェスキュー芝のリンクスコース
メジャー特別番組「LIVE FROM 全米オープン」6/16(火)より連日放送
全米オープンゴルフ選手権に関する情報を臨場感あふれるリポートでお届けする特別番組「LIVE FROM 全米オープン」。注目選手の記者会見の模様や大会事前情報、コース解説など、全米オープンを余す事無くお送りします。大会期間中には「全米オープン」生中継前に注目組の紹介やスタート前の練習模様など直前レポートをLIVEでお届け。中継後には大会ハイライトやホールアウト後のインタビューなど結果速報もお送りします。
今週はゴルフネットワークで一日中「全米オープン」ざんまい!
4日間合計42時間を超える生中継!6/18(木)開幕「全米オープンゴルフ選手権」
4大メジャーの中でも最も難しいセッティングで行われ、「世界で最も厳しいゴルフの試練」とも呼ばれる全米オープン。ゴルフネットワークでは、「全米オープンゴルフ選手権」をゴルフ専門チャンネルならではの全ラウンド長時間生中継でお届けします。
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