緑から茶色へと変貌するチェンバーズベイ「予選ラウンド大波賞は100人抜きのあの選手?」
2015年6月20日(土)午後7:59
難コースを相手に多くの選手が苦しめられている全米オープン。予選カットラインは5オーバーとなりました。
グリーンの変化、ポアナ芝の難しさに注目が集まっていますが、2日目はどうだったのでしょうか?昨日に続いて、いろんなデータから大会2日目を振り返ってみましょう。
【関連リンク】午前「72.2」午後「73.1」スコアメイクの鍵はパッティングとスタートタイム?
朝の早いスタートが有利と言われた大会初日でしたが、二日目も同じ傾向に。2日目のベストスコアランキングを見ても、J.BホームズやL.ウーストヘイゼン、J.スピースらが午前スタート組が上位を占めました。
【大会2日目も午前スタート組有利は変わらず(写真提供:Getty Images)】
【2日目のベストスコアTOP5】( )内はスタート時間
1位 J.B.ホームズ:66(AM)
1位 L.ウーストヘイゼン:66(AM)
3位 J.スピース:67 (AM)
3位 B.グレース:67 (AM)
3位 D.サマーヘイズ:67 (AM)
【初日のベストスコアTOP5】( )内はスタート時間
1位 H.ステンソン:65(AM)
1位 D.ジョンソン:65(AM)
3位 P.リード:66(AM)
4位 M.クーチャー:67(AM)
4位 B.マーティン:67(PM)
4位 B.キャンベル:67(PM)
また、2日目午後スタート組の選手たちはスコアを落とす結果に。初日に5アンダー「65」をマークし、トップタイに立っていたH.ステンソンとD.ジョンソンは共にスコアを落としました。1番ホールからスタートしたジョンソンは4バーディ、5ボギーの「71」でスコアを一つ落として通算4アンダーの3位タイに。さらにスコアを崩したのが10番ホールからスタートのステンソン。6ボギー、2バーディと昨日までとは見違えるような乱調でぶりで通算1アンダーの12位タイまで順位を下げています。
【初日首位のステンソンもパットが入らず急降下(写真提供:Getty Images)】
二人に共通しているのは、後半上がり2ホールで連続ボギーを叩いたことです。
ゴルフネットワークの中継で解説を務める内藤雄士氏は「午前と午後で一番変わるのがグリーンのスピード。朝は気温が低いですが、天気が良くなるにつれて固くて早くなります。また、ポアナ芝も時間の経過と共に伸びてグリーンに凹凸が出来るので不規則な転がりを見せます。そのため下りのパットは非常に難しくなるので、上りのパットにつけることが重要です。午前でも午後でもスコアをまとめてくる選手もいると思いますが、全体的には午後の方が大叩きする選手が出てくるでしょう。」とグリーンの変化をポイントにあげていました。
【緑色から茶色へと変貌するコースの芝】
前日に散水しているため朝や午前中は緑色のコースが午後になるにつれて茶色くなってくるのを見てもその変化がわかります。
初日のパット数が27でフィールド全体で1位だったステンソンは2日目に38パットを叩き、パット数だけでもなんと「11」ストローク差がついたことになります。
予選ラウンドでストローク差が最も大きかった選手は?
リーダーボード全体を見ても午前と午後のスタートでこれほどまでスコアが変わってしまうのには驚きですが、予選ラウンド2日間でストローク差が最も大きかった選手は誰でしょうか?
【予選ラウンドでストローク差が最も多かったランキング】( )内は1R,2Rのスコア
※予選通過者のみ
1位 L.ウーストハイゼン:11(77-66)
2位 H.ステンソン:9(65-74)
3位 B.エルダー:8(76-68)
4位 C.トリンガル:7(75-68)
4位 C.モンゴメリー:7(69-76)
【タイガーの巻き返しは無かったけど同組のウーストハイゼンは100人抜き(写真提供:Getty Images)】
予選通過者だけの集計ではありますが、最もストローク差がついたのは予選ラウンドでT.ウッズやR.ファウラーらと一緒に回ったL.ウーストハイゼンでした。初日は77の大叩きで7オーバー135位タイと出遅れましたが、10番ホールからスタートした2日目は出だしで連続ボギーを叩くものの、前半をイーブンパーで折り返すと、後半1番ホールで見事イーグル。6番、9番でもバーディを奪って「66」をマーク、通算4オーバー35位タイまで順位を上げるナイスカムバック。2010年全英オープンチャンピオンのウーストハイゼンだけに決勝ラウンドでさらなる上位進出にも注目です。
その他、ステンソンもモンゴメリーらストローク差が大きかった選手はいずれも午前スタートの日にスコアを伸ばして、午後スタートでスコアを落としていることからも、スタート時間の違いでコースの難易度が変わることがわかります。
上位陣はビッグスコアよりも大叩きしない選手?
【午前だって午後だって好調のスピースには関係ない?(写真提供:Getty Images)】
でも、それではあまりにもアンフェアでは?そう思われる方も多いでしょう。
難易度の差が出るものの、リーダボードを見ると厳しい午後のコースセッティングでも我慢のゴルフでスコアをまとめてくる選手が上位にいることがわかります。5位タイまでの8人の中で初日と2日目のスコア差が1打しかなかったプレーヤーはスピースら3人います。
2日目終了時に松山選手も「ビッグスコアを狙ったりすると痛い目にあう。一つでも多くコツコツとパー、バーディを重ね、ボギーを打たないようなゴルフを目指す。」と話していたように、決勝ラウンドではビッグスコアよりも厳しい状況でボギーを打たないことが求められるかもしれません。
【予選ラウンド上位陣のストローク差】( )内は1R,2Rのスコア
1位 J.スピース:1(68-67)
1位 P.リード:3(66-69)
3位 B.グレース:3(69-67)
3位 D.ジョンソン:6(65-71)
5位 J.ルイテン:1(68-69)
5位 T.フィナウ:1(69-68)
5位 D.サマーヘイズ:3(70-67)
5位 B.マーティン:3(67-70)
決勝ラウンドはスコア順の1WAYスタートとなります。
下位の選手がスコアを伸ばしやすい朝早い時間のスタートになり、当然スコアの良い上位陣は気温が上がり、グリーン面にも凹凸が出る午後のスタートとなります。加えて、全米オープンは予選ラウンドが終わって、3日目に入ると急に難易度が上がるとも言われています。
「LIVE FROM 全米オープン」で現地取材を行っているレックス倉本プロも「全米オープン初開催のコースということで、USGAもここまではディフェンシブなコースセッティングにしている。ある意味スコアが出やすい、戦い易いセッティングとも言えます。スコアを伸ばす選手が出てきたら・・・決勝ラウンドのセッティングが恐ろしい。」とコメント。
コースセッティングや天候にもよりますが、下位の選手がビッグスコアを出して大きくリーダーボードが入れ替わる可能性も。
内藤氏が「全米オープンは大叩きをしないで先ずは予選通過を果たす。そこから我慢比べでスコアメイクしていく戦い。予選通過者全員に優勝の可能性がある。」と言うように、キャリアグランドスラムを狙うP.ミケルソン(+3)、メジャー5勝目を目指すR.(+4)、ベテランのJ.フューリック(+4)らビッグネームたちにの3日目にも注目です。
時間の経過と共に変貌を見せるチェンバーズベイ、優勝スコアをイーブンパー前後に設定すると言われているUSGA。
大会3日目のムービングデーに何かが起こる予感です。
トップと6打差の松山選手は現地12時49分、日本時間の6/21(日)早朝4時49分にスタート。どこまでスコアを伸ばせるか注目です!
ゴルフネットワークでは大会3日目を6/20(土)深夜3時間から翌21(日)午前12時まで9時に渡り生中継でお送りします。緑から茶色に変わるコースの変化にも注目しながらぜひLIVEでお楽しみ下さい。
全米オープン3日目 注目選手のスタートタイムを日本時間でチェック!
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メジャー特別番組「LIVE FROM 全米オープン」6/16(火)より連日放送
全米オープンゴルフ選手権に関する情報を臨場感あふれるリポートでお届けする特別番組「LIVE FROM 全米オープン」。注目選手の記者会見の模様や大会事前情報、コース解説など、全米オープンを余す事無くお送りします。大会期間中には「全米オープン」生中継前に注目組の紹介やスタート前の練習模様など直前レポートをLIVEでお届け。中継後には大会ハイライトやホールアウト後のインタビューなど結果速報もお送りします。
今週はゴルフネットワークで一日中「全米オープン」ざんまい!
4日間合計42時間を超える生中継!6/18(木)開幕「全米オープンゴルフ選手権」
4大メジャーの中でも最も難しいセッティングで行われ、「世界で最も厳しいゴルフの試練」とも呼ばれる全米オープン。ゴルフネットワークでは、「全米オープンゴルフ選手権」をゴルフ専門チャンネルならではの全ラウンド長時間生中継でお届けします。
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