「師匠ってすごいよね。みんなお見通し!」西山ゆかりと若林舞衣子のラウンジトーク
2017年10月20日(金)午後6:00
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ゴルフネットワークで10月放送中の「ゴルフ真剣勝負 the MATCH」でマッチプレー対戦をした西山ゆかりプロと若林舞衣子プロ。普段は一緒に食事したりお互いの優勝をお祝いしたりする仲というふたりがラウンジトーク。それぞれの優勝のことや、ふたりが師事する師匠、西山プロは芹澤信雄プロ、若林舞衣子プロは岡本綾子プロのことを話してくれました。
結婚して初めての優勝・若林舞衣子
西山 それにしても今年の優勝(アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI)はすごかったね。最終日、プレーをしながら、「舞衣子ちゃん、メッチャ伸ばしている」って思ったもん。
若林 そうなんですよ。2日目終わって4打差の7位タイだったから、自分が優勝争いに中にいるという自覚がまったくなくて。気楽な気持ちでスタートしたら1番でバーディー、2番でホールインワン。そのとき初めて、「今日はいけるかも」って思って(笑)。でも、ここで舞い上がっちゃいけないと思って、気持ちを抑えつつプレーをしていました。
西山 ということは、プレッシャーはなかったのね?
若林 そうなんですよ。私は最終組の2組前で、後ろも伸ばしてくると思っていたので、「どこまで伸ばせばいいことあるのかな?」くらいの感じでしたね。逆にそれが良かったのかもしれませね。
西山 私も自分のプレーが終わってから応援にいったんだよね。
若林 あの時は嬉しかったです。プレー中は必死だったんで気がつかなかったんですけど。
西山 木の陰に隠れて応援していたからね(笑)。私が見ている限り、すごい冷静にプレーしているなって感じがしたんだよね。
若林 でも、内心はけっこうバクバクで(笑)。特に16、17番ホールは難しいから、パーで上がるのに精一杯。18番もグリーンの奥に付けちゃったし。
西山 そうだったの? いつもと変わらないように見えたけど(笑)。昨年結婚してから初めての優勝だったでしょう? それまでの優勝とは違った喜びがあった?
若林 ありましたね。結婚して結果が出なかったら、いろいろ言われるかもしれないと思っていましたから。頑張らなきゃって気持ちは強かったです。
キャディ大庭プロの地元熊本での優勝・西山ゆかり
若林 ところで、ゆかりさんはどうだったんです? KKT杯バンテリンレディスは緊張されました?
西山 緊張はしていたんだけど、バッグを担いでくれた大庭長人プロが終始和ませてくれたんで、集中してプレーできたんだよね。長人プロは実家が熊本で、昨年も、「担ぐよ」と言ってくれていたんだけど、震災で実現しなくて。それだけに、今回の優勝は嬉しかった。
若林 試合中、どんな話をしていたんですか?
西山 たわいもない話(笑)。でも、今から考えると、どこかで優勝を意識していたのかな。3パットも多かったしね。17番までは優勝目指して頑張るぞって思っていたけど、何故か18番は自分のプレーに集中して、1つでも上に行こうという気持ちになれたんだよね。ゴルフって不思議だよね。
若林 プレーオフも緊張しなかったんですか?
西山 いやいや、プレーオフは逆に勝ちたいなって思っちゃった(笑)。
若林 いいと思います。でもホント良かった。あの試合、私は予選落ちでテレビの前での応援だったんですけど、ドキドキしましたもん。あのあと東京で、みんなで集まってお祝いして。楽しかったですね。
西山 舞衣子ちゃんのときもお祝いしたけど、ああいうのいいよね。しても、してもらっても幸せな気分になるよね。
若林の師匠・岡本綾子について「おっかないでしょう?とよく聞かれるけど全然そんなことなくて」
西山 舞衣子ちゃんは岡本(綾子)門下生だけど、弟子入りしたのはいつだったの?
若林 シードを落とした年ですね。ちょっと教えていただいて、なんとかQTで拾われて、その年のオフにお願いしたんです。お願いしたときは、「私ひとりじゃ決められないから」と返事を保留されたんですけど、そのあとOKをいただいて。
西山 岡本さんは前から知り合いだったの?
若林 きっかけは、その前から岡本門下生だった服部真夕さんなんです。仲の良かった真夕さんの紹介で何度か岡本さんにお目にかかる機会があったんです。だから、岡本さんに教えてもらいたいということも最初に真夕さんに伝えました。真夕さんが少しでも不快な思いをするんだったら止めようと。そうしたら真夕さんが「それはいいね」って言ってくれて。真夕さんには本当に感謝しています。
西山 そういういきさつがあったんだね。ただ、岡本さん、お忙しいでしょう?
若林 そうなんです。試合会場に来る回数は確かに減っていますね。でもいらっしゃったときは必ず声をかけてくれます。また、スイングに関しては、動画を送って指示をしてもらったりもしています。
西山 面倒見がいいんだよね。
若林 めちゃくちゃいいんですよ。岡本さんのこと怖いと思っている人が多いようで、プロアマでも、「おっかないでしょう?」っていわれるけど、全然そんなことなくて。こんな私にまで気を使っていただいて。
西山 私もご一緒させてもらったことがあるけど本当にいい人だよね。それにいろんなこと考えている人だよね。視野も広いしね。
西山「芹澤プロに会うまで、攻め方が全くわかってなかった(笑)」
若林 ゆかりさんは、芹澤(信雄)さんとはいつからなんですか?
西山 正式に弟子入りさせていただいたのは14年の6月なんだけど、初めて見ていただいたのはもっと前。静岡で研修生をやっていて、なかなかプロになれなかった頃、知り合いの紹介でラウンドをしていただいて。
若林 そのときビビッときたんですか?
西山 いや、何というか衝撃だったのよね。こんなに全身でゴルフが楽しいと感じられることは今までなかったという感じ。
若林 初優勝のときって、芹澤さんがバッグを担がれてましたよね。
西山 そう。あの時は3日間、プレーするのが目標だったの。せっかく担いでもらうのに2日で終わっちゃもったいないって(笑)。そうしたら、何もかもが上手くいって、「優勝できるかも」から「優勝したい」になっちゃって。終始、芹澤プロに盛り上げてもらってできた優勝だったなあ。
若林 何か心に残るアドバイスってありました?
西山 恥ずかしい話なんだけど、私、攻め方がまったくわかっていなくて。ドローヒッターなんだから、右ピンのときはピンに出せばいいとか、左ピンのときはセンターに出せばいいとか教えてもらって。それまで私、全部ピンを向いていたからね(笑)。あと、メンタル面のアドバイスも的確だったね。2日目の夜、「明日は優勝するぞ」ってテンションがあがっていたんだけど、朝、芹澤プロに会ったときに、「西山、今日は優勝するぞって思っているんだろうけど、優勝できるかどうかは、1打1打大事にできるかどうかにかかっているんだぞ。だから今日は、1打1打大事にすることだけを考えろ」って言われてね。へえ、そうなんだって。私は、優勝、優勝って思わなきゃ優勝できないと思っていたから(笑)。
若林 でも、そういうアドバイスを素直に受けいれてその通りにしたあたりは、ゆかりさんらしいというか、すごいことだと思います。
西山 芹澤プロのことを心から尊敬しているから、何でも受け入れられるんだと思う。
若林 そういうのありますよね。私も岡本さんに言われたことはすべて受け入れたいと思っているし。
西山 今までのアドバイスでグッときたことある?
若林 私は、リズムとかルーティーンとかにすごくこだわっていたんですけど、あるとき岡本さんから、「ゴルフっていうのは、リズムだけが大事なわけではないし、リズムがいつもと違ってもいい方向にいくときがある。むしろ、リズムやルーティーンにこだわりすぎないほうがいいよ」って言われたことがあって。それを聞いたとたん、何か余計な力が抜けた感じがして楽になりましたね。
西山 師匠ってすごいよね。みんなお見通しなんだよね。