海外男子
松山英樹の主戦場・米国PGAツアー中継の解説者たちがみたマスターズ初制覇
2021年4月13日(火)午後5:51
11日、海外男子メジャーのマスターズトーナメント(4月8日〜11日/オーガスタ・ナショナルGC/ジョージア州)で悲願のメジャー初制覇を果たした松山英樹選手。その松山選手が主戦場とする米国PGAツアーを中継するCSゴルフネットワークで解説を務め、長く松山選手を見続けてきたプロゴルファー・JGTO理事の佐藤信人氏、PGAティーチングプロの内藤雄士氏、プロキャディの杉澤伸章氏に、松山選手のマスターズ優勝の要因や、今後への期待などについて、コメントを頂きました。
勝因について、何かひとつに絞るのは難しいですが、やはりパッティングでしょうか。ショットやグリーン周りは普段から世界のトップクラスで、パットが決まらず優勝争いに入れないことが多かったですが、今週は全体的によく決まっていました。特に3日目の中断以降の(雨で濡れて)重くなったグリーンで、他の選手がタッチ合わず苦戦していたなか、松山選手は素晴らしくアジャストしていました。3日目で4打差にしたのが大きかったですね。
パットに加えてもうひとつ、硬くなった今年のグリーンもあると思います。グリーンが硬くなったことで、アイアンの精度がよりシビアに求められる、松山選手の高い精度のアイアンが活きるコンディションだったと思います。
これから先、松山選手のますますの活躍や、オリンピックでのメダル獲得など、選手としての活躍に期待しています。また日本の多くの人にグリーンジャケットを見せて欲しいですし、番組や取材などで話を聞く機会を貰えれば、今回のマスターズを含めていろんな裏話を聞かせてほしいなと思います。
勝因は、全てが良かったのですが、強いてあげるならショートゲームでしょうか。グリーンを外したときに「これは寄らないんじゃないか」と思うものをことごとく寄せて、パッティングもことごとく入れて、外れてもラインには乗っていました。ティーショットがブレる時もありましたが、そんなことは全盛期のタイガー・ウッズでもあったことで、窮地を何度も救ったあのアプローチとパッティングは、ただ調子がよかったというだけでは片付けられないレベルでした。
それからボギーが少なかったのも大きいですね。松山選手はもともとボギーを打たない能力のあるゴルファーですが、トップの選手がボギーを打たないと下位の選手は追いつけないですよね。自分でバーディを獲っていくしかないと、周りが焦って攻めて崩れていくという感じになっていました。
新たについた目澤秀憲コーチとのやりとりのなかで、ショット、パットとも悩みが少なくなっていったということも大きいと思いますし、でも基本的には松山選手のこの10年の努力の積み重ねだと思います。
私は、松山選手がPGAルーキーの時にいきなり連続TOP10に入ったのをみて「キャリアグランドスラムを獲る男なんじゃないか」と思ったんですが、それをぜひ、達成してほしいと思います。本人は全英オープンは難しいといっていますが、そんなこといいながら優勝争いをしますし、全米プロゴルフ選手権、全米オープン、全英オープン、どこでもチャンスはあると思います。
いま、周りの選手たちが「松山英樹は強い」と思っているときに、全てのメジャーで優勝争いしてほしいです。もちろん周りの選手たちも強いですから勝てる勝てないはあると思いますが、今年の残りのメジャーで優勝争いをすれば、ひとつふたつ獲れる可能性があるんじゃないかと。ダスティン・ジョンソンやジョン・ラーム、ローリー・マキロイのような、世界ランキング1桁のくくりに入る「強い松山英樹」を定着させてほしいなと思いますし、できるはずと思います。
6勝目まで3年足踏みしましたけど、試行錯誤の生みの苦しみだったと思うので、それを全部を吐き出すくらい、活躍してほしいですね。
今回の偉業は、チームでビジョンを描いていたこと。山を登る途中の景色にとらわれることなく、頂上の景色だけを信じて登り続けたことに勝因があったように見えました。
そして何より、『役割分担』がはっきりした『チーム構成』。目澤秀憲コーチやツアーレップとして宮野敏一さんが加入することで、飯田光輝トレーナー、早藤将太キャディ、そして通訳のボブ・ターナーさん、チーム全員のポテンシャルがさらに引き出されたと思います。なおかつ、サポートチームでの話し合いを数多く行うことで、松山選手自身がボールを打つことに集中することが出来たことも、勝利の要因になったと思います。
誰よりも長い時間『ゴルフ』を考えている人が松山英樹プロであり、『優勝』こそ『最大のファンサービス』と常に意識されてるのかなと思います。松山選手は、メジャーチャンピオンになっても満足することなく、出る試合全てを勝ちにいくと思います。さらに、当然メジャーも狙いにいくと思います。そのために、あらゆる年間のデータや、成績のアベレージを上げてくると思うので、さらにワクワクしています。
(C)Getty Images.
「当てはまる形容詞が見当たらない」佐藤信人(プロゴルファー/JGTO理事)
松山くん、おめでとうございます!日本中が感動して、私も18番でチーム松山のみんなが抱き合っているのを観て泣きました!起きたことが凄すぎて、当てはまる形容詞が見当たりません。勝因について、何かひとつに絞るのは難しいですが、やはりパッティングでしょうか。ショットやグリーン周りは普段から世界のトップクラスで、パットが決まらず優勝争いに入れないことが多かったですが、今週は全体的によく決まっていました。特に3日目の中断以降の(雨で濡れて)重くなったグリーンで、他の選手がタッチ合わず苦戦していたなか、松山選手は素晴らしくアジャストしていました。3日目で4打差にしたのが大きかったですね。
パットに加えてもうひとつ、硬くなった今年のグリーンもあると思います。グリーンが硬くなったことで、アイアンの精度がよりシビアに求められる、松山選手の高い精度のアイアンが活きるコンディションだったと思います。
これから先、松山選手のますますの活躍や、オリンピックでのメダル獲得など、選手としての活躍に期待しています。また日本の多くの人にグリーンジャケットを見せて欲しいですし、番組や取材などで話を聞く機会を貰えれば、今回のマスターズを含めていろんな裏話を聞かせてほしいなと思います。
「“強い松山英樹”を定着させてほしい」内藤雄士(PGAティーチングプロ)
松山英樹選手、本当におめでとうございます。感動して泣きました。彼が初めてメジャーに参戦してからここまでの努力をずっとみてきたので、込み上げてくるものがありました。日本の誇りですね。勝因は、全てが良かったのですが、強いてあげるならショートゲームでしょうか。グリーンを外したときに「これは寄らないんじゃないか」と思うものをことごとく寄せて、パッティングもことごとく入れて、外れてもラインには乗っていました。ティーショットがブレる時もありましたが、そんなことは全盛期のタイガー・ウッズでもあったことで、窮地を何度も救ったあのアプローチとパッティングは、ただ調子がよかったというだけでは片付けられないレベルでした。
それからボギーが少なかったのも大きいですね。松山選手はもともとボギーを打たない能力のあるゴルファーですが、トップの選手がボギーを打たないと下位の選手は追いつけないですよね。自分でバーディを獲っていくしかないと、周りが焦って攻めて崩れていくという感じになっていました。
新たについた目澤秀憲コーチとのやりとりのなかで、ショット、パットとも悩みが少なくなっていったということも大きいと思いますし、でも基本的には松山選手のこの10年の努力の積み重ねだと思います。
私は、松山選手がPGAルーキーの時にいきなり連続TOP10に入ったのをみて「キャリアグランドスラムを獲る男なんじゃないか」と思ったんですが、それをぜひ、達成してほしいと思います。本人は全英オープンは難しいといっていますが、そんなこといいながら優勝争いをしますし、全米プロゴルフ選手権、全米オープン、全英オープン、どこでもチャンスはあると思います。
いま、周りの選手たちが「松山英樹は強い」と思っているときに、全てのメジャーで優勝争いしてほしいです。もちろん周りの選手たちも強いですから勝てる勝てないはあると思いますが、今年の残りのメジャーで優勝争いをすれば、ひとつふたつ獲れる可能性があるんじゃないかと。ダスティン・ジョンソンやジョン・ラーム、ローリー・マキロイのような、世界ランキング1桁のくくりに入る「強い松山英樹」を定着させてほしいなと思いますし、できるはずと思います。
6勝目まで3年足踏みしましたけど、試行錯誤の生みの苦しみだったと思うので、それを全部を吐き出すくらい、活躍してほしいですね。
「偉業に辿り着くための『道のり』があることを知れた」杉澤伸章(プロキャディ)
松山英樹選手、マスターズ優勝おめでとうございます。凄いことを成し遂げた驚きと同時に、とてつもない努力ではあるが、偉業に辿り着くための『道のり』があるということを知れたことに、心より感謝しています。今回の偉業は、チームでビジョンを描いていたこと。山を登る途中の景色にとらわれることなく、頂上の景色だけを信じて登り続けたことに勝因があったように見えました。
そして何より、『役割分担』がはっきりした『チーム構成』。目澤秀憲コーチやツアーレップとして宮野敏一さんが加入することで、飯田光輝トレーナー、早藤将太キャディ、そして通訳のボブ・ターナーさん、チーム全員のポテンシャルがさらに引き出されたと思います。なおかつ、サポートチームでの話し合いを数多く行うことで、松山選手自身がボールを打つことに集中することが出来たことも、勝利の要因になったと思います。
誰よりも長い時間『ゴルフ』を考えている人が松山英樹プロであり、『優勝』こそ『最大のファンサービス』と常に意識されてるのかなと思います。松山選手は、メジャーチャンピオンになっても満足することなく、出る試合全てを勝ちにいくと思います。さらに、当然メジャーも狙いにいくと思います。そのために、あらゆる年間のデータや、成績のアベレージを上げてくると思うので、さらにワクワクしています。
(C)Getty Images.
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