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今季初20代プレーヤーの優勝はスウェーデン出身25歳のルドビッグ・オーバーグ【内藤雄士&杉澤伸章のPGAツアーアフタートーク】
2025年2月20日(木)午後0:14
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舞台をトーリーパインズゴルフコース(サウスコース)に変更して行われた今年の「ザ・ジェネシスインビテーショナル」。松山英樹選手の連覇なるかが注目を集めましたが、最終日、首位に2打差の3位でスタートしたルドビッグ・オーバーグが6アンダーをマークし、トータル12アンダーで頂点に立ちました。一方、松山選手は、予選ラウンドこそパッティングに苦しみましたが、決勝ラウンドでは徐々に調子を上げ、4アンダーの13位タイで大会を終えました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めたPGAティーチングプロの内藤雄士さんと、プロキャディーの杉澤伸彰さんに振り返ってもらいました。
杉澤 まさにシグネチャーイベントでしたね(笑)。PGAツアーは普段も高いレベルの争いですが、本当に凄い戦いでした。
内藤 トップ選手たちは、メジャー、第5のメジャーといわれる「プレーヤーズチャンピオンシップ」、そしてシグネチャーイベントと、これらの試合にどうやってピークを持っていくかを考えていますからね。いいパフォーマンスが出るのも当然のことだと思います。
――ルドビッグ・オーバーグが優勝しましたが、最終日のプレーはいかがでしたか。
内藤 オーバーグも、2位になったマーベリック・マクニーリーも本当に素晴らしいプレーを見せてくれました。最終日は天気も良く、4日間の中で最も風が穏やかだったので、難しいトーリーパインズでも好スコアを出せる状況でしたが、その中でもあの2人のゴルフは圧巻でした。
杉澤 今大会で優勝したオーバーグはスウェーデン出身ですが、今季はアメリカ選手の優勝者が少ないですよね。
内藤 そうですね。また、ここまでは優勝者全員が30代というのも今季の特長で、20代の優勝は今シーズン初(オーバーグは25歳)。2位のマクニーリーも29歳だったので、どちらが勝っても初の20代優勝者になったわけですが。
――優勝を決めたショットは? オーバーグ自身は、12番パー4のパーパットだと言っていましたが。
内藤 私は、18番パー5のバーディーパットだと思いますね、セカンドショットを絶対に池に入れられないというシチュエーションで大きめに打って、あの位置から2パットというのは簡単ではなかったと思いますし、ファーストパットも少し強くてオーバーしてしまいましたが、よく返しを入れました。勝因を挙げるとしたら、終始プレーのリズムが変わらなかったこと。18番のバーディーパットも、普通だったら慎重になって、ラインを丁寧に読んで、時間を掛けて打つものですが、いつものリズムで、いつもの時間でポンと打って真ん中から入れましたからね。この大会では、初日から最終日まで、そのリズムが狂いませんでしたが、それが彼の強みだと思います。
内藤 初日から「パッティングさえ入っていれば」という感じでしたね。3日目から少し決まり出して、最終日のフロントナインでは、「6打差逆転があるかも」と思わせてくれるような流れを作ってくれましたし。そういうゴルフを最終日にしてくる松山選手は、やっぱすごい選手だなと改めて思いました。
杉澤 シーズン全体でみると、「ザ・セントリー」で勝って、その後は内容的には悪くなかったけど結果が出ない中で、4連戦の最後に13位まで順位を上げたというのは、本人としても良かったのではないかと思います。特にこれから2週間のオフに入って、3月の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」や、その後の「マスターズ」「全米プロゴルフ選手権」に向けて微調整をすると思うのですが、上り調子で「ザ・ジェネシス」を終えたことで、その調整も気分良く取り組めますからね。
――次戦「メキシコオープン at ヴィダンタワールド」の見所は?
内藤 松山選手は出場しませんが、久常涼選手、星野陸也選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手と日本人選手が4人出るので楽しみですよね。1月に行われた「ファーマーズインシュランスオープン」では、全員良いプレーをしながら惜しくも予選通過できなかったというように、紙一重の戦いを繰り広げている。ぜひ「メキシコオープン」では4選手とも上位でフィニッシュして、シード権獲得に近づいてほしいですね。
杉澤 確かに、シードを意識して戦うことは大事ですね。「メキシコオープン」のようなトップクラスの選手が出ない大会でいかに上位に食い込むか。特に2026年からはフルシードを獲得できるのが125人から100人に減るわけですが、25人の差というのはけっこう大きい。だから、早い段階で上位に付けておくことが大事。後半になって追いつくのは大変ですからね。そういう意味でも、日本人選手にとって、「メキシコオープン」は重要な大会になる。「メキシコオープン」はそういった視点で見ると、面白みが増すと思います。
(写真:Getty Images)
終始プレーのリズムが変わらなかったオーバーグ
――今シーズン3戦目のシグネチャーイベントでしたが、4日間を振り返っての感想をお聞かせください。杉澤 まさにシグネチャーイベントでしたね(笑)。PGAツアーは普段も高いレベルの争いですが、本当に凄い戦いでした。
内藤 トップ選手たちは、メジャー、第5のメジャーといわれる「プレーヤーズチャンピオンシップ」、そしてシグネチャーイベントと、これらの試合にどうやってピークを持っていくかを考えていますからね。いいパフォーマンスが出るのも当然のことだと思います。
――ルドビッグ・オーバーグが優勝しましたが、最終日のプレーはいかがでしたか。
内藤 オーバーグも、2位になったマーベリック・マクニーリーも本当に素晴らしいプレーを見せてくれました。最終日は天気も良く、4日間の中で最も風が穏やかだったので、難しいトーリーパインズでも好スコアを出せる状況でしたが、その中でもあの2人のゴルフは圧巻でした。
杉澤 今大会で優勝したオーバーグはスウェーデン出身ですが、今季はアメリカ選手の優勝者が少ないですよね。
内藤 そうですね。また、ここまでは優勝者全員が30代というのも今季の特長で、20代の優勝は今シーズン初(オーバーグは25歳)。2位のマクニーリーも29歳だったので、どちらが勝っても初の20代優勝者になったわけですが。
――優勝を決めたショットは? オーバーグ自身は、12番パー4のパーパットだと言っていましたが。
内藤 私は、18番パー5のバーディーパットだと思いますね、セカンドショットを絶対に池に入れられないというシチュエーションで大きめに打って、あの位置から2パットというのは簡単ではなかったと思いますし、ファーストパットも少し強くてオーバーしてしまいましたが、よく返しを入れました。勝因を挙げるとしたら、終始プレーのリズムが変わらなかったこと。18番のバーディーパットも、普通だったら慎重になって、ラインを丁寧に読んで、時間を掛けて打つものですが、いつものリズムで、いつもの時間でポンと打って真ん中から入れましたからね。この大会では、初日から最終日まで、そのリズムが狂いませんでしたが、それが彼の強みだと思います。
13位タイフィニッシュも調子は上向き、今後の活躍が期待できそうな松山英樹選手
――松山英樹選手はどうでしたか?内藤 初日から「パッティングさえ入っていれば」という感じでしたね。3日目から少し決まり出して、最終日のフロントナインでは、「6打差逆転があるかも」と思わせてくれるような流れを作ってくれましたし。そういうゴルフを最終日にしてくる松山選手は、やっぱすごい選手だなと改めて思いました。
杉澤 シーズン全体でみると、「ザ・セントリー」で勝って、その後は内容的には悪くなかったけど結果が出ない中で、4連戦の最後に13位まで順位を上げたというのは、本人としても良かったのではないかと思います。特にこれから2週間のオフに入って、3月の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」や、その後の「マスターズ」「全米プロゴルフ選手権」に向けて微調整をすると思うのですが、上り調子で「ザ・ジェネシス」を終えたことで、その調整も気分良く取り組めますからね。
――次戦「メキシコオープン at ヴィダンタワールド」の見所は?
内藤 松山選手は出場しませんが、久常涼選手、星野陸也選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手と日本人選手が4人出るので楽しみですよね。1月に行われた「ファーマーズインシュランスオープン」では、全員良いプレーをしながら惜しくも予選通過できなかったというように、紙一重の戦いを繰り広げている。ぜひ「メキシコオープン」では4選手とも上位でフィニッシュして、シード権獲得に近づいてほしいですね。
杉澤 確かに、シードを意識して戦うことは大事ですね。「メキシコオープン」のようなトップクラスの選手が出ない大会でいかに上位に食い込むか。特に2026年からはフルシードを獲得できるのが125人から100人に減るわけですが、25人の差というのはけっこう大きい。だから、早い段階で上位に付けておくことが大事。後半になって追いつくのは大変ですからね。そういう意味でも、日本人選手にとって、「メキシコオープン」は重要な大会になる。「メキシコオープン」はそういった視点で見ると、面白みが増すと思います。
(写真:Getty Images)
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2025 ザ・ジェネシスインビテーショナル
2月13日(木)~2月16日(日)