今季8試合でプレーオフ決着のPGAツアー“逆転が難しいベイヒル”での戦いは如何に!?
2015年3月19日(木)午後6:00
今季8試合目のプレーオフを制したのは21歳ジョーダン・スピース
フロリダスイング第3戦、バルスパー・チャンピオンシップは15回目の今年、大会史上1、2を争うエキサイティングなフィナーレとなりました。アメリカの新星、2013年のルーキー・オブ・ザ・イヤー、ジョーダン・スピースと、24歳にしてすでにPGAツアー4勝のパトリック・リード、そして2005年のルーキー・オブ・ザ・イヤーで2008年のこの大会のチャンピオン、復活優勝を狙うショーン・オヘア、3人によるプレーオフ。できることなら3人とも勝たせてあげたい、そんな思いで見守った延長戦でしたが最後に名乗りを上げたのはスピースでした。
上がりの難関3ホール、スネークピットを舞台にプレーオフは永遠に続くのではないかと思わせるほど3人のプレーは見事でしたが、プレーオフに残るまでのプレーもそれぞれギャラリーの大歓声を浴びるものばかり。深いラフや片足だけバンカーの嫌なスタンスになっても必ず寄せワンを決め、ロングパットもラインを読みきり決めてくる、まさにこれぞ世界最高峰のツアー、そのツアーを背負って立つのは俺達だといわんばかりの自信に満ちたプレーの応酬でした。
21歳のスピースと24歳のリードが魅せたここぞという時に強さを発揮し、決めなきゃいけないときに決めてくるプレー、それは全盛期のタイガー・ウッズを彷彿させるものでした。
2014?2015年シーズンの全47試合中すでに18試合が終了しましたが、3打差以上をつけての優勝は3試合だけで、先週の大会を含め8試合がプレーオフにもつれ込んでいます。昨シーズンはプレーオフでの勝者誕生は7試合だけでした。また54ホールのリーダーもしくはコーリーダーとして今シーズン優勝したのは5人だけで、4人が4打差以上からの逆転と最後の最後まで勝者が予測できない展開が目立ちます。
今季接戦が続くPGAツアーですが、アーノルド・パーマー インビテーショナルは、最終日の逆転があまり見られない大会で過去36回中24回、第3ラウンドを終えてトップもしくはトップタイの選手が優勝しています。その中で数少ない逆転劇を果たしたのが昨年優勝したマット・エブリーです。エブリーは初日からトップを守り続けたアダム・スコットと最終日4打差でスタートし、終わってみればキーガン・ブラッドリーに1打差、スコットに2打差でツアー初優勝。スコットは最終ラウンド「76」とスコアを落としたことで、結果的にはエブリーを助ける形となりました。
難関ベイヒルの記録
タイガーが通算8勝している大会、それが今週のフロリダ4連戦の最後を飾るアーノルド・パーマー インビテーショナルです。
サンシャインステートことフロリダは華やかな大会の訪れとともに気温も上昇。時折涼しい風が吹くものの、もう真夏の気配です。月曜日はギャラリーもまばらでしたが、火曜日はお目当ての選手にサインをもらおうと、メジャーやライダーカップ等のフラッグを持ったファンが大勢コースに詰めかけました。
会場内にはアーノルド・パーマーのサインが入ったメッセージボードが掲げられています。
"YOU MUST PLAY BOLDLY TO WIN."
(優勝するために勇敢に立ち向かえ!)
パーマーのメッセージが示すように、7,419ヤード、パー72のベイヒルは、4ラウンド続けて60台で回った選手が大会史上5人しかおらず、過去20年では2008年のバート・ブライアント一人だけと、ロースコアがそう簡単には出せないコースです。
注目は何と言っても上がりの4ホールです。15番はラフに入れたらおしまいという難しい右ドッグレッグのパー4、続く16番パー5はバーディホールで挽回のチャンス、17番は距離があり、斜めに配置されたグリーンの難度の高いパー3、そして大きな岩が縁取る池のゆるやかなカーブに沿うように位置するグリーンを狙う18番パー4。
72ホール目をバーディとして優勝したのは延べ4人だけ。1987年のペイン・スチュワートと2001年、2008年、2009年のタイガー・ウッズ。タイガーはいずれの年も最終ホールをバーディとし、1打差で逃げ切りました。大会8勝もさることながら、これもすごい記録です。
現役時代、タイガーのような悩みを抱えず助かったと語ったアーノルド・パーマーが愛するベイヒル。2年連続でタイガーの姿はないものの、今シーズンの傾向、プレーオフが期待できる顔ぶれがそろいました。その中には、パーマーの孫で2006年のベイヒルのクラブチャンピオン、サム・サンダースもいます。2週間前、プエルト・リコ・オープンでプレーオフ進出、先週24位と好調です。
2004年、パーマーが最後にこの大会に出場した時、バッグを担いでいたのはまだ16歳だったサム。サムが尊敬する愛する祖父は、18番パーフォーの2打目をドライバーで打ちました。 それを見た時、アーノルド・パーマー、ジャック・二クラス、ゲーリー・プレーヤーの3強時代に生まれていたとしたら、絶対私はアーニーズアーミーの一員だった、そう確信しました。
ベイヒルデビューの二人に注目
世界ランクNo.2のB.ワトソンが急遽欠場となりましたが、今年のベイヒルはローリー・マキロイ、ヘンリク・ステンソン、アダム・スコット、ジェイソン・デイら世界のトップ5が勢ぞろいする豪華フィールド。そして日本からは松山英樹プロ、石川遼プロも出場します。特にマキロイと松山プロが初めてのベイヒルをどう攻めるか注目が集まります。また今年で7年連続出場となる石川プロが、自宅の庭とも言えるコースで去年の8位タイという大会自己ベストを塗り替えられるかどうか期待が高まります。
【大会事前インタビュー】昨季8位タイの石川遼「4日間のスコアで昨年を上回れるように」
【大会事前インタビュー】松山英樹 獲れたてインタビュー!初のベイヒルも「アンダーパーは欲しい」
PGAツアー「アーノルド・パーマー インビテーショナル」
【放送日時】
1日目:19日(木)深夜3:00?
2日目:20日(金)深夜3:00?
3日目:22日(日)午後11:00?
最終日:23日(月)午後11:00?
また、「PGAツアーハイライト?今日の石川遼・松山英樹」も連日放送!ぜひお楽しみに。
筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ
(写真提供:Getty Images) / 筆者
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