Great Surprise
2015年1月27日(火)午後2:17
米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報!
PGAツアーが2年にまたがるスケジュールを組むようになって2シーズン目、先週のヒュマナ・チャレンジは、早いもので今シーズン47試合のうちの10試合目でした。
2015年の初戦でいきなり優勝したパトリック・リードのタイトル防衛戦ということもあり、波に乗るリードが早くも今年2勝目に達し、真の強豪にまた一歩近づくのではないか、そんな期待もかかりましたが、いい意味の想定外で優勝したのは、2011年のフェデックス・カップの覇者でこの大会の優勝は2010年以来2回目となったビル・ハースでした。
グレーの山がそびえる壮大な景色を背景にしたプロアマ戦のヒュマナ・チャレンジは、毎年ロースコア続出となることで知られています。
使用する3コースで難度に多少差はあるとはいえ、64前後を1度は出しておかないと優勝争いにはなかなか絡めないのがこの大会。しかし、最終ラウンドもそんなスコアが出せるコンディションということもあり、1999年のデビッド・デュバルのように59をたたき出しての逆転優勝も可能。当然ながら今年も大混戦となりました。
最終日をトップで迎えたのは、ビル・ハース、心臓移植を2度受けたゴルファー、エリック・コンプトン、ルーキーで前週のソニー・オープンで6位につけていた21歳のジャスティン・トーマス、そして初日9アンダーをたたき出したマイケル・パットナムの4人。
結局その中で生き残ったのは唯一人PGAツアーの優勝経験があるハース。それでも一時は、21アンダーでラウンドを終えていたチャーリー・ホフマンとブレンダン・スティール、そして最終組で回るトーマスとハースの4人がトップに並び、誰が勝ってもおかしくない展開。
運命のホールとなったのは16番、364ヤードのパー4。トーマスはフェアウエイ左のバンカーにつかまり、そこからのショットが水の中に消え、痛恨のダブルボギー。ハースはフェアウエイ左サイドからピンの右に運び、これをねじ込みます。トーマスが19アンダーへ後退したのに対し、ハースは22アンダーとなり一歩抜け出します。しかし、さらなるドラマが最終ホールで待ち受けていました。
パーであがれば1打差で優勝という状況になったハースは、18番パー5でティショットをフェアウエイに運べずボールはバンカーの縁へ。 枯れた芝の上のボールは、ハースの膝よりも高い位置にありました。そこからベースボールショットでフェアウエイに出します。ベテランキャディのアドバイスを聞き、落ち着いて打ったハースは、緑の絨毯を転がるボールを見てほっとしたことでしょう。本人も言っていましたが、まともに当たらなかったらパーの保証はなかったやっかいなショットでした。
最後はツーパットのパーで逃げ切ったビル・ハース。父親のジェイも1988年この大会で優勝。大叔父にあたるボブ・ゴールビーは1968年のマスターズチャンピオン。 前回2010年の優勝は、まだボブ・ホープクラシックといわれていた時、その時は父親のジェイが見守り、今年の優勝はゴールビーがラウンドに付いていました。
前週の水曜日、早めに現地入りし近くのコースで練習していたというビル・ハースは、あまり調子がよくなかったため、先週大きな期待をかけていなかったそうです。しかし、過去のチャンピオンとしてのプレーしやすさもあり、ラウンドを重ねるに連れ徐々にエンジンがかかっていったのでしょう。 ここぞという時にくずれないのはチャンピオンの証。 嬉しい誤算がもたらした6勝目。ラウンド直後のインタビューでビルの目は潤んでいました。
32歳になったビルには、まもなく次男が生まれるそうですが、その息子さん達もやがてゴルファーとして活躍するのでしょうか? ビルはこの頃お父さんに良く似てきたなと感じます。もともと二人とも穏やかな表情をしていますが、目のあたりがますますそっくりになってきました。
お父さんのジェイのプレーを以前ベイヒルで見た時のことです。その組にはギャラリーもそれほどついておらず、ロープ沿いに歩いてきたジェイ・ハースとグリーン脇に立っていた私の目が合った時、ハースは微笑んで「HOW ARE YOU DOING?」と声をかけてくれました。
PGAツアーの選手といっても、オーラいっぱいの近寄りがたい雰囲気の人から常にファンを気遣う人までさまざま。もちろんPGAツアープロも人間ですから、機嫌が悪い日もあるでしょう。あるいはその前のホールで大叩きをし、自分に腹を立ててファンのことまで気が回らない時もあると思うので一度見ただけでその選手を判断してはいけないかもしれません。
でも、もしかしたらそこに立っているファンはその選手のプレーを2度と見るチャンスがないかもしれないだけに、第一印象はとても大事です。ビッグネームと呼ばれる選手がサインをせがむ子供達にSORRYの一言も言わず足早にコースを去っていくのを見ると悲しくなります。ハース父子なら絶対そんなことはしないでしょう。
久々に優勝を味わったビルは、ザ・プレジデンツカップのポイントランキングで24位から6位へ浮上。父ジェイが率いるアメリカチームのメンバーとして是非出場してほしいものです。でもその前にデュバル父子のように、親子で同じ週に優勝なんてことがあったら、ファンの心はもっとほっこりすること間違いなしです。
いよいよ今週はタイガー・ウッズが登場。
1997年、まだガリガリの青年だったタイガーのホールインワンでファンが絶叫の坩堝と化したTPCスコッツデールの名物16番パースリー、今年は何万というギャラリーをどう興奮させてくれるのでしょうか?
開幕戦でPGAツアー2勝目に限りなく近づいた松山英樹選手、先週の悔しい思いを初優勝につなげたい石川遼選手、大会3勝のフィル・ミケルソン、去年の7月から個人的理由によってツアーを離脱していたパパになったばかりのダスティン・ジョンソン、おさわがせロバート・アレンビー、リッキーにババ・・・欧州のスターパワーにはやや欠けるものの、記者会見場が足りないんじゃないかと思えるほど役者がそろったウエイスト・マネジメント・フェニックス・オープン。
スーパーボウルに負けない盛り上がりとなることを願って・・・
PGAツアー「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」
『予選R生中継/決勝Rダイジェスト放送』
【放送日時】
1日目:1月30日(金)午前5:00?9:00(LIVE)
2日目:1月31日(土)午前5:00?9:00(LIVE)
3日目:2月01日(日)午後11:00?深夜0:00(ダイジェスト)
最終日:2月02日(月)午後11:00?深夜0:00(ダイジェスト)
筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ
(写真提供:Getty Images)
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