ベアトラップの前に立ちはだかる14番ホール!?
2015年2月25日(水)午前11:46
ビージェイ・シン、レティーフ・グーセン、二人のメジャーチャンピオンの名前が初日からリーダーボードに登場した今年のノーザン・トラスト・オープン。そこにジョーダン・スピースとジャスティン・トーマス、若手の親友コンビ、さらに今シーズンアメリカで初戦を迎えたセルヒオ・ガルシアが加わり、2連覇を狙うババ・ワトソンもまずまずの位置。極端に低いスコアも出ないコースで最後に笑うのは誰か楽しみでしたが、雨の最終日、そしてプレーオフ・・・ アカデミー賞授賞式と重なった最終日にふさわしいドラマチックなクライマックス。
延長戦に残ったのは去年2位のダスティン・ジョンソン、故障にも泣かされPGAツアーでは2009年に1勝しかしていないポール・ケーシー、そして初優勝を狙う韓国系アメリカ人、ジェームス・ハンの3選手。結局、ベン・ホーガンが愛したコースを制したのはアンダードッグのハンでした。
アメリカンドリームで幕を閉じた西海岸シリーズからいよいよ東海岸へ
ハンは最後の2ホール難しいパットを沈め、文句なしの勝利。
韓国ツアー、カナディアンツアー、ウェブ・ドットコム・ツアーと這い上がってきたハンは、ゴルフ以外の職業も経験した文字通り苦労人。キャディに払うお金や遠征費を両親から借りたこともあったというハンは、土曜日、ステファニー夫人に5位以内につけたら新車を買ってあげると伝えたそうです。10年乗っている夫人の愛車は20万キロ以上走っていることからオファーしたそうですが、夫人は“特に悪いところないし、タイヤ替えたばかりだから大丈夫"と答えたとか。
“自分が今、タイガー・ウッズを初めとするトッププロと同じ土俵で戦えていることに感謝"という謙虚な33歳。その影にはさらに慎ましい素敵な伴侶がいたのですね。3週間後に女の赤ちゃんが誕生予定というハン夫妻の自宅のガレージには、すでに新車が停められているかもしれません。
ハンは世界ランキングで297位から86位まで上昇しました。ハンの初優勝に勇気付けられたプロも多かったでしょう。
あれから一年・・・
今週からいよいよフロリダ連戦です。初戦はウエストパームビーチ・ガーデンズにあるPGAナショナルのチャンピオンズコースが舞台となるザ・ホンダクラシック。
タイガー・ウッズが13番ホールでオフィシャルにリタイヤを申し出たのを目撃した時から、もう一年も経ってしまいました。あの時はまさか長期離脱に至るほど腰の具合が悪いとは思いませんでしたが、結局4週間後にタイガーは手術を受けることになります。
タイガーはこの12ヶ月をどう振り返っているのでしょうか?
腰の状況よりも精神的に苦しんでいるように思える今、スイングが思うようにいかないのは腰の影響で、そのせいで自分を追いつめてしまうようなら、やはり思い切った長期休暇をとってまず腰を完治させることが最優先だと思います。マスターズで去年に続きタイガーを見られなかったとしても仕方ありません。ファンは打つたびに腰に手をあてる姿よりもオーガスタの森に響き渡るタイガーの雄叫びとガッツポーズを見たいのですから。
ベアトラップのプレリュード?
去年のザ・ホンダクラシックはファーストネームがRで始まる4人、ラッセル・ヘンリー、ラッセル・ノックス、ローリー・マキロイ、ライアン・パーマーによるプレーオフとなりました。
マキロイが3ラウンド続けてトップに立ち、2012年以来2勝目かと思われた最終日、マキロイは、選手を苦しめる終盤の3連続の難関、“ベアトラップ"(15番パースリー、16番パーフォー、17番パースリー。4打全てに池がからみ、去年は3ホールで合計90個が池へ)でダブルボギーをたたくなどまさかの74のラウンド。最終ホール18番パーファイブのスーパーツーオンからバーディを奪い、辛くもプレーオフに残りました。その18番でのプレーオフもマキロイ有利かと思われた中、ただ一人ツーオンに成功したラッセル・ヘンリーが、ツーパットのバーディを決め、あっさりとひとホールで決着がついてしまいました。
しかし、ジャック・二クラスが1990年の全米シニアプロ選手権を前に大がかりな改修を手がけ、その後もなんども手が加えらてきたコースで去年最も難しかったのは、6番479ヤードのパー4で、2014年の平均ストロークは4,44。
バーディはわずか22に対し、ボギーが138、ダブルボギー30、トリプルボギー以上が5個でした。また、二クラスは今年の大会を前に14番ホールを改修。ティーが10ヤード下がり、グリーンは17ヤード右に移動し、池やバンカーに近づけました。 “ベアトラップを前に14番も見ごたえのあるものになった"という二クラス。選手にとってはベアトラップが4ホールになったのと同じかもしれませんね。そんなコースで今年はマキロイのリベンジが見られるのでしょうか?
マキロイと言えば、去年のホンダ・クラシックにはキャロライン・ウォズニアッキが応援に来ていたのですよね。二人はその後まもなく破局。今週、一年はあっという間とつくづく実感する人はどうやらタイガーだけではないようです。
今週は松山プロの欠場で日本人選手は石川遼プロただ一人です。苦しい時期が続いていますが、二クラスが言っていたように、事態を好転させるきっかけとなるポジティブなことをフロリダで見つけられるよう願ってやみません。
石川遼参戦!「ザ・ホンダクラシック」
【放送日時】
予選 生中継/決勝 ダイジェスト放送
1日目:2月27日(金)午前5:00?8:00(LIVE)
2日目:2月28日(土)午前4:00?8:00(LIVE)
3日目:3月01日(日)午後11:00?深夜0:00(ダイジェスト)
最終日:3月02日(月)午後11:00?深夜0:00(ダイジェスト)
筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ
(写真提供:Getty Images)
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