番組制作スタッフがフロリダから発信するユニークなゴルフ最新情報!
2014年10月7日(火)午後7:11
米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報!
フロリダ連戦の最後を飾るアーノルド・パーマー・インビテーショナルは、初日62を叩き出しいきなり大量リードを奪ったアダム・スコットの完全優勝かと思われる展開でした。
しかし 最終日スコットは76と崩れ、地元セントラルフロリダ出身、30歳のマット・エブリーに事実上勝利を献上してしまう結果となりました。子供の頃 お父さんに連れられ初めて見たトーナメントでPGAツアー初優勝。エブリーがお父さんと抱き合う姿を見て、タイガー・ウッズのマスターズ初優勝を思い出しました。
まもなくマスターズでタイトル防衛に挑むアダム・スコット。「負けても収穫は多かった」とコメントしていたものの心中はいかに・・・・
そしてスコットよりもはるかに収穫が多かったのは、石川遼選手でしょう。
今年で6回目の出場となったアーノルド・パーマー・インビテーショナルでついにトップテン入り。 2014年はファーマーズ・インシュランス・オープンの7位タイに次ぐ、トップテンフィニッシュ。
最終日は、石川選手のスタート時間1時25分頃から風が強まり、グリーンが固くなる中、随所で好プレーを見せ1アンダーで回り、終わってみればトップと5打差の8位タイ。 特に難しいベイヒルの18番、池に近いピンをデッドに狙ったセカンドショットは圧巻でした。
本人も納得のオーランドでの4日間、大きな充実感と自信とともに好調の波に乗り、テキサスで優勝し、マスターズ出場・・・ 現実味を帯びてきた気がします。
今年のアーノルド・パーマー・インビテーショナルでは、ケビン・ナの組についた心無いギャラリーが、バックスイングの途中にヤジを飛ばすなど残念な出来事がありました。
紳士のスポーツといわれるゴルフで、真剣にプレーしている選手に対して悪意に満ちた言葉を叫ぶなどあってはいけないことです。 しかもその日、ケビン・ナと一緒に回った選手は決して遅いプレーではなかったことを強調しています。
ラウンド後のインタビューで愚痴をこぼさなかったケビン・ナは立派です。インタビューアーの質問をやんわりとかわし、つっこまれても「まあ、そんなこともありますよ。いいラウンドでした。」と言葉少なに答えました。 ケビン・ナは、2012年ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップの頃はクラブを上げられないほど苦しんでいましたが、当時に比べはるかに改善しています。 ベイヒルで最終日に見たケビン・ナのプレーにも、まったく遅さは感じられませんでした。 素振りが3回、構えてから何度かホールを見る、そんなルーティンの選手は他にもいます。 いろいろあっても4日間ともアンダーパーで回り、14位タイで終えたケビン・ナ。
3日目、“KEVIN NA, WORTH THE WAIT!“ 「ケビン・ナ、待つだけの価値はある!」 と書かれたティーシャツを着たケビン・ナのサポーターが現れ、ケビン・ナとハグするシーンを見た時、ほっとしました。
先週のバルスパー・チャンピオンシップでは3日目時間を計られながらも優勝したジョン・センデンに次いで2位。なかなかテークバックに入れなかったのがメンタルな問題なら、批判されながらも上位に食い込むのもケビン・ナの強靭な精神力。
元PGAツアープレーヤーのブランデル・シャンブリーは「ジャック・二クラスも遅かった。プレーが遅くてもベルンハルト・ランガーやおそらくケビン・ナよりも遅いジム・フューリックがやり玉に挙げられないのは何度も優勝しているからで、ケビン・ナに必要なのはもっと勝つことだ」と言っていました。
アンフェアな批判を避けるためにもシャンブリーが言うように全員のプレー時間を計るなど何らかの対策を講じる時期にあるのかもしれません。
今週PGAツアーでは、マスターズへと続くテキサス2連戦の初戦バレロ・テキサス・オープン が開催されます。石川選手の他、フィル・ミケルソンやアーニー・エルス、ジョーダン・スピース が出場予定。
石川選手がエブリーに続くPGAツアー初優勝でオーガスタ・ナショナルへの切符を手にすることができるか、今週も目が離せません。
石川遼参戦!「バレロ・テキサス・オープン」放送日時
3月28日(金) 午前4:00?7:00
3月29日(土)午前4:00?7:00
3月30日(日)午後11:00?午前1:00
3月31日(月)午後7:00?10:00
筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ
[画像は全て©Getty Images]