番組制作スタッフがフロリダから発信するユニークなゴルフ最新情報!
2014年11月12日(水)午後1:52
米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報!
ついにフィル・ミケルソンのシーズン初優勝か、それともPGAツアー初優勝を果たした場所でローリー・マキロイが逆転で再び優勝するのか?ウェルズ・ファーゴ・チャンピオンシップでMOVING DAYと呼ばれる土曜日、ミケルソンの63、マキロイの65を見て、そんな思いをめぐらせた方も多かったのではないでしょうか?しかしミケルソンは76と崩れ、マキロイは70を切れず、優勝したのは54ホールのリーダー、J.B.ホームズでした。
ホームズは、2006年にPGAツアーに参戦、同年のルーキーにはババ・ワトソンやカミロ・ビジェガスがいます。ホームズとワトソンは、ともに飛ばし屋として注目され、ホームズはルーキーだった年にFBRオープン(現ウエイスト・マネジメント・フェニックス・オープン)で優勝。ババ・ワトソンよりも5年も早い達成でした。ワトソンは2011年に初優勝し、今ではマスターズ2勝を含む通算6勝、ホームズは2008年に再びFBRオープンで優勝、この時はプレーオフでフィル・ミケルソンを倒しての勝利、そして先週で通算3勝となりました。
2011年にキアリ奇形という脳と脊髄間の脳脊髄液の循環障害をきたす病気で手術を受けたホームズは、のちに手術の際使用した接着剤にアレルギー反応を起こし、再手術では接着せずに縫合と基本的に同じ手術を2度受けたようなものだったそうです。そして復帰を急ぐ気持ちから、ショットの練習のしすぎで肘を痛め、ジョギングは好きじゃないからとローラーブレードでエクササイズとはりきれば、足首を骨折・・・ まさに踏んだり蹴ったりでしたが、足首の故障で休んでいる間に肘の手術を受け、ついに先週復活優勝。嫌な距離の最後のパットを沈め、一打差で逃げ切ったあとのホームズの表情、本当に嬉しそうでした。ホームズがキャリア2勝めをあげたのは2008年、同期のワトソンの初優勝はそこからさらに3年後・・・ロングヒッター二人の運命は、2011年以降大きく変わりましたが、近いうちに二人による優勝争いが見られるかもしれません。
今週、PGAツアーでは第5のメジャーと言われるザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップが開催されます。
先週ウェルズ・ファーゴ・チャンピオンシップが開催されたクエイル・ハロウ・クラブの最後の3ホールは、“グリーンマイル"と呼ばれるPGAツアーが使用するコースの中でも、特に難しいあがりの3ホールですが、今週の舞台TPCソウグラス・スタジアムコースの16番、17番、18番ほど見ごたえのある続きのホールはないでしょう。 16番は523ヤードのパー5、右サイドが池の比較的小さなグリーンを狙いますが 平均スコア4.593と最も易しいホールで、去年はイーグルが9、バーディが206記録され ダブルボギー以上は7つだけでした。続くアイランドグリーンの名物ホール7番パー3は、137ヤードと短いパースリーながら、たくさんのドラマが生まれています。難易度ではコースで9番め、2013年の平均ストロークは3.06でした。これまで大会中に記録されたホールインワンは6個。2002年大会の第1ラウンドで、ミゲル・アンヘル・ヒメネスがマークしたのが最後となっています。また、フレッド・カプルスはホールインワンも記録していますが、1打めで池に入れ、3打めでカップインという離れ業も決めています。17番の最多スコア、12の記録保持者は、ボブ・トウェイ。2005年大会で4回池に入れたあと、5打めでグリーンにのせてスリーパット。去年、17番で池に消えたボールは44個、2012年は39個でした。そしてスタジアムコースで最も難しい18番は、462ヤードのパー4。左に池が続くゆるやかな左ドッグレッグ2013年は、平均ストローク 4.393で、メジャーのコースを除いて、トーレパインズ・サウスコースの7番と並ぶ4番目に難しいホールでした。56.6%の選手がティショットでフェアウエイをとらえたものの、そこからグリーンに乗せた選手は43.3%と、フェアウエイに運んでも油断出来ないホールです。今年からザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップのプレーオフは、サドンデスではなくあがり3ホールの合計スコアに変更されました。この大会のファンとしては、タイガー・ウッズのタイトル防衛挑戦が見られないのならば、少なくとも二人の選手にあの3ホールを5回プレーして欲しい、そう願ってしまいます。
米ゴルフチャンネルでは、シミュレーターを使ってスタジオを訪れたゲストに17番をプレーしてもらい、ゴルフチャンネルのタレント達と競い合っています。距離は139ヤードで、最終日のピンポジション、右サイド。先日プロとして初めてLPGAツアーの大会で優勝した直後のリディア・コが挑戦。7番アイアンで打ち、最初は池に入れましたがマリガンで再挑戦、ピンの左およそ9メートルにつけました。ちなみに現時点でのトップは、スクール・オブ・ゴルフでおなじみのホリー・ソンダースで53センチ。続いて1メートル12センチのアニカ・ソレンスタム、グレッグ・ノーマンが2メートル30センチで4位です。
ところで先週の中日クラウンズのとことん1番ホール生中継、私も文明の利器によって楽しませていただきました。2日目、ジャンボさんがピンにピタリと寄せた2打め、すばらしかったですね。和合といえばジャンボ尾崎選手・・・一組前を行く石川遼選手が若き殿なら ジャンボさんは城主・・ ティーマーカーの名古屋城のレプリカを見て思わずそんなことを考えてしまいました。
もう一人の若き殿、松山英樹選手が出場するザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ、石川選手は月曜日の午後現在、補欠のトップ。このコラムを皆さんがご覧になる頃、繰上げ出場が決まり、日本を代表する二人のTPCソウグラス同時デビューが見られることを祈っています。
「ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」放送日時
1日目:5月 9日(金) 午後7:00?10:00
2日目:5月10日(土)午後7:00?10:00
3日目:5月11日(日)午後7:00?10:00
最終日:5月12日(月)午後7:00?10:00
※THE PLAYERS Championship Preview Day2 :松山英樹選手、石川遼選手
筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ
[画像は全て©Getty Images]