飛距離の出る選手が増えているプロツアー、選手そしてプロコーチに必要なものとは
2016年2月11日(木)午後3:23
ギア情報番組「内藤雄士・石井忍 シャフトのトリセツ」。 多くのゴルファーが抱えるシャフトへの疑問を解決し、飛距離アップやスコアメイクに役立つシャフト選びのコツを紹介しています。
番組の案内役は、ツアープロコーチの内藤雄士氏と石井忍氏。2016年最初の放送は、2015年を振り返りながら今後のゴルフ界についてお話します。
平均飛距離300ヤード以上が約100人、飛ばす選手が増えて厳しいツアーに
「2015年はどんな1年でしたか」という石井コーチの質問に対し、内藤コーチがPGAツアーの解説や選手の帯同を通して色んな選手を見て感じた、近年の選手層の変化についてお話してくれました。
「とくに飛距離がでる選手がすごく増えた」という内藤コーチ。PGAツアーでは2014年-2015年シーズンに平均飛距離300ヤードを超える選手が28人、ウェブドットコムツアー(下部ツアー)に至っては60人を超えており、合計すると100人近くの選手が平均して300ヤード以上飛ばしているということになります。飛べば飛ぶだけ番手間の距離も広がるため、当然ながら縦の距離をコントロールする技術も備えなければいけません。
内藤コーチは2014年-2015年シーズンにPGAのシードを獲得したトニー・フィナウを例にお話。「彼は活躍するまでに少し時間がかかりました。そのひとつの理由としてドライバーが飛びすぎることによってアイアンも飛びすぎて、距離感を合わせるのが大変でゲームを作れませんでした。なのでアイアンの縦の距離を合わせることを先に行い、そこからドライバーの飛距離を抑えて、全体のバランスをよくしました」とそれほどフィジカル的にもすごい選手が増えてきているそうです。今後は益々飛ばす選手が増えて厳しい世界になっていくのは間違いないでしょう。
飛距離が出過ぎて苦労したトニー・フィナウ。(写真提供:Getty Images)
今、日本人選手のなかでPGAツアーに挑戦している石川遼選手、松山英樹選手、岩田寛選手。3人とも平均飛距離が290ヤード以上楽々と越えているので、飛距離に対して遜色はありません。しかし、すごく飛ぶ選手ではないことも事実。「そうすると他のアイアンショットなどを磨いていかなければなりませんが、ただ、ワールドランキング1位のジョーダンスピースもちょうど彼らと同じくらいの飛距離。そうゆう意味では活躍できるチャンスは十分にあります」という内藤コーチ。今後、世界で活躍する選手という意味では飛距離は必須なのかもしれません。
「これから選手もそうですけど我々も上げていかなければならないですよね」という内藤コーチと石井コーチ。「例えば、スイングがすごくキレイになってミート率もよくなったけど、結果的に平均飛距離が落ちてしまったら、それだとダメ。距離と方向の両立、縦距離、この3つのバランスを全て整えるということが今後の僕らの仕事の役割を果たさなければないらないことだと思います」と内藤コーチと石井コーチのさらなる発展が期待されます。
宮本勝昌プロのシャフトは?
番組では、プロのスイングと使用シャフトを内藤コーチがチェック。7回目は、宮本勝昌プロが登場です。
宮本プロはとても力が合って飛距離がでるスイングで、体のネジレやタメをあまり大きく使わないタイプです。
宮本プロが今使っているMJというシャフトは、手元が比較的しっかりめ、先が走ります。やはりこれだけパワーのある選手はダウンスイングで手元が柔らかいと、シャフトが動きすぎてしまって、インパクトのタイミングが取りづらいといことがあります。そのためパワーのある宮本選手にはダウンスイングで切り返したときに、シャフトが負けない、手元の固いシャフトがあっています。
そしてヘッドスピードの速い宮本選手がインパクトで手が戻ってくるタイミングに、ヘッドもキレイにもどってくるのもMJの特徴です。MJはパワーのあるスイングにちょうどあっています。アマチュアの方でもMJを使ってみたいという方は、体格がすごくいいとか力がすごくあるという方やダウンスイングでシャフトのしなりがないと気になってしまうという方、なおかつ戻りが早いというタイプのものを使いたいという方におススメのシャフトです。
"利きシャフト"のコーナーでは、石井コーチが、シャフトの印刷を黒く塗って、モデルをわからなくしたシャフトを打ち比べします。
石井コーチはここまで泥沼の3連敗。このまま地獄の4連敗か、それとも正解できるのでしょうか。正解は番組内でチェックしてみてください。
ツアープロのシャフト選びのキモを紹介する「シャフトのトリセツ」。
ぜひ番組をご覧ください。
【動画】内藤雄士・石井忍 シャフトのトリセツ #7>
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「内藤雄士・石井忍 シャフトのトリセツ」
「シャフトの重要性」をツアープロコーチの内藤雄士氏と石井忍氏の2人がお届け!シャフトに注ぎ込まれるテクノロジーやそれらにまつわるエピソードを紹介していきながら、視聴者のシャフト選びに役立つ情報をお伝えしていく。
写真提供:Getty Images