体とボールとの距離を保てばヘッドが走る!小林正則飛ばしの心得
2017年7月7日(金)午前8:24
ヘッドが走らない大きな原因の一つが “力み”であり、その力みを取るためには、グリッププレッシャーを緩めることが大事だというお話を前回しました。ゆるゆるに握れば腕が振れるようになるので確実にヘッドが走る。これは誰もが認めるところです。
さらにもう一つ、ヘッドを走らせるために意識してほしいことがあります。それは、スイング中、体(特に上体)とボールとの距離をキープすることです(写真①)。
写真①
「体とボールとの距離を保て」というアドバイスは、ほとんどの人が一度は耳にしたことがある言葉だと思いますが、頭ではわかっていてもなかなかできないのがこの動きです。特に、人間というのは、「飛ばしたい」と思えば思うほど上体の力で飛ばしにいこうとしてしまい、その結果、上体に力が入って体が突っ込んでしまうことが多いからです(同②)。
写真②
体とボールとの距離を変えないためには、何よりも上体をリラックスさせることが重要ですが、ダウンスイングからインパクトまで、上体は動かさずにクラブを振っていくことが大事です。どちらかというと、胸は閉じたままインパクトを迎えるというイメージです。そうすれば上体の突っ込みが押さえられ、その分、腕が振れるようになるので、ヘッドが走ってくれます(同③)。
写真③
また、上体の突っ込みを思うようにコントロールできない人は、頭の位置を意識するのも一つの方法です(同④)。ダウンスイングで上体が突っ込むと、それと同時に頭も左に動くものなので、できるだけ頭を残すようにする。これを意識するだけでも、体の動きが大きく変わってくるはずです。
写真④
我々プロゴルファーでも、「ここは飛ばしたい」と思うと、ついつい体が突っ込んで大きなミスを犯してしまいます。実際、“飛ばし”を武器にしている私もこれまで同じミスを何回も繰り返してきました。だから今でも、飛ばしたいときほど、「自分とボールとの距離を大事にする」ことを心がけています。ぜひ皆さんも、「体とボールとの距離をキープした方が、飛距離が伸びる」ということを忘れないようにスイングしてください。
【プロフィール】
小林正則(こばやし・まさのり)
こばやし・まさのり 1976年2月14日、千葉県生まれ。日大ゴルフ部出身。1999年ツアーデビュー。2002年に初シード獲得。2011年「とおとうみ浜松オープン」で初優勝。2012年「アジアパシフィック パナソニックオープン」、2013年「日本オープン」で優勝。身長186cmという長身で、国内ツアーきっての飛ばし屋としても知られる。
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(この記事は、夕刊フジ 2017/6/29発売号より転載しています)
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