ゴルフネットワークで49時間にわたって生中継する「全英オープンゴルフ選手権」。今年は全英オープン出場経験のある現役プロゴルファーがゲスト解説として連日登場。2日目は前回ロイヤルバークデールGCで行われた2008年大会に出場したことのある矢野東プロ。

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今年の6月に右ひじの手術を行った矢野プロは現在、ツアー復帰を目指してリハビリ中。TV初解説の矢野プロだが、家にいる時はほぼゴルフネットワークでPGAツアー中継を見ているというヘビーユーザー。プレーヤー目線、そして視聴者目線で5時間にわたって解説。

中継を終えた矢野プロに今年の全英オープンについて話を聞いた。

【大会2日目ゲスト解説の矢野東プロ】

松山英樹は普通にプレーすれば全英で勝つ力がある

ポールター、ケプカ、松山選手の3人は良い状態でリズムよくプレーしていましたね。天気が悪くて、各選手バタバタしている中で2人は調子の良さが出ていたと思います。今日見ていた中でも、あのフィールドの中で松山選手はダントツの安定感でしたね。フロント9では風が吹いても過酷さを感じさせないほど淡々とプレーしていました。本当に難しいコースなんですが、普通のコースを普通にプレーしているように見えてしまう。

松山選手はこのまま普通にやっていれば全英オープンで勝てると思うし、その位置にいるのがすごいことです。全英だけではなくて、調子の良さに限らず全てのメジャーで勝てる力を持っています。

大きなミスもないし、総合力の高さがあるので優勝するために特別なことをする必要はないと思います。そこまで明らかに良いってことはなかなか無いですが、全盛期のタイガーを彷彿させるくらいです。

スピースのスコアメイク力はすごい

谷原選手、宮里選手、池田選手はいずれも苦戦を強いられました。良いショットを打ってもスコアに繋がらないのが全英オープン。1つでも長いパットが入れば流れは変わるのですが、チャンスにつけもバーディが取れなくて、ちょっとミスをするとボギーになる悪循環になってしまう。

その点では苦しい状況でパーを拾っていくスピースはすごかったですね。ボギー確実とも思える距離の長いパーパットを決めていた。9番でボギーを叩いた後の10番でもピンチを迎えてダブルボギーにもなる状況からチンプインパーを取るんですから。これがメジャーチャンピオンなんだと思いました。

ゴルフはずっと安定したプレーを続けるのは難しい。特に全英のような場所では風の読み違いもあるし、いろんなミスがあります。苦しい状況でパーセーブするスピースの粘り強いスコアメイク力はすごい。ボギーやダブルボギーにしないでパーセーブで切り抜けてスコアを作っていく。ゴルファーにとって一番大事なことです。

過酷な状況であるほど際立つ世界トップランカーの力

ここ数年の全英オープンはアンダーパーが多くてスコアの伸ばし合いになっていますが、ロイヤルバークデールは風が名物なコースなので強風になると最近では珍しくオーバーパーの戦いになるでしょう。

そうなると松山選手のショット力やスピースのスコアメイキングなど何か秀でたものがないと優勝戦線には残れない。過酷な状況になるほど世界ランキング上位者の争いになってくると思います。

今日のプレーを見ていても松山選手は間違いなく優勝候補の一人です。長いパーパットが入ったりスピースのような粘りが加わると昨年の「WGC HSBC選手権」のようにぶっちぎりで勝つ可能性もあります。メジャー優勝に向けて今週は期待大です。

（解説：矢野東プロ）

【TV初解説を終えた矢野東プロ】

<インタビューのこぼれ話>
矢野プロ「5時間はあっという間でした。楽しかったです。いつも見ているゴルフネットワークで喋っているのが不思議な感じでしたね。ゴルフネットワークの良いところはいろんな選手を映してくれること。海外のいろんな選手のショットやスイングも見れるので面白いです。是非また今度解説をやってみたいです。（右ひじの手術をして）医者からはクラブを握ってはいけないと言われて、しばらくは時間もありますので」

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（写真：Getty Images）

全英オープン

<テレビ放送予定>
1日目：7月20日（木）午後2：30～深夜4：00
2日目：7月21日（金）午後2：30～深夜4：00
3日目：7月22日（土）午後5：00～深夜4：00 ※最大延長午前 6：00
4日目：7月23日（日）午後4：00～深夜3：00 ※最大延長午前 7：00

<出演>
解説：佐藤信人（プロゴルファー・JGTO理事）、内藤雄士（ツアープロコーチ）
実況：薬師寺広・土居壮
ゲスト解説：矢野東プロ（2日目）、久保谷健一プロ（3日目）、塚田好宣プロ（4日目）

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