田村尚之のどんな状況でも使える上げるアプローチの打ち方
2017年2月3日(金)午後0:31
前回お話した通り、私は練習時間が少なかったこともあり、転がすアプローチは捨てて、上げるアプローチしか練習をしませんでした。だから、今でも転がすことはほとんどありません。今回は、その上げるアプローチの打ち方についてお教えしましょう。
写真①
まずアドレスですが、ボールはスタンスのほぼ中央に置きます。そしてグリップも少し右寄りにしてハンドレイト気味に構えます(写真①)。そうすると、地面に対してシャフトが垂直になりますが、これが正しい形です。インパクトでも、このアドレスを再現することを意識すれば、バンスが使え、ソールが芝の上を滑ってくれます。逆に、ハンドファーストに構えると、歯(リーディングエッジ)のほうから入りやすくなり、ヘッドが地面につっかかって抜けにくくなるので注意してください。
写真②
次にテークバックですが、クラブを振り上げる時は、早めに左手を親指側に折る、いわゆるコックを使います(同②)。この点も、転がす時と大きな違いです。そしてダウンスイングでは、無理にボールを上げようとせず、ヘッドを地面に落とす感じで振り下しましょう(同③)。インパクトでシャフトが地面に対して垂直になっていれば、ロフト角が球を上げてくれます。
写真③
また、インパクトでは、ボールの手前5センチぐらいからヘッドを滑らせる感じで打ちましょう。アマチュアゴルファーの中には、アプローチではヘッドをボールの手前にきっちり入れなければいけないと思っている人が多いようですが、それほど神経質になることはありません。すでに構えでバンスが滑る状況を作っているわけですから、気軽にクラブを振っていくことが大事です。
距離の調整は、振り幅の大きさでやります。基本的には振り子運動で、テークバックとフォロースルーは同じ振り幅。距離を出したいときは、大きなバックスインをとり、その分だけフォロースルーも大きくすればいいのです。
一般的には難しいと言われている上げるアプローチですが、打ち方さえ覚えれば簡単に打てるし、それほど大きなミスも出ません。どんな状況でも使える“上げるアプローチ"を、アマチュアの皆さんもぜひマスターしてください。
【関連】田村尚之アプローチの基本はロブ・ショット!その理由とは?
【関連】宮里美香と畑岡奈紗が9ホールのガチンコ勝負!世界最高峰の舞台で戦う先輩・後輩対決
【田村尚之 たむら・なおゆき】
1964年6月24日、広島生まれ。94年日本オープンローアマをはじめ、長年アマチュアゴルフ界で活躍。2007年日本アマ決勝では今回対戦相手の小林伸太郎と41ホールに及ぶ激闘を繰り広げた(結果は準優勝)。13年プロテストに合格。16年の富士フィルムシニアチャンピオンシップでツアー初優勝を飾る。株式会社ダイクレ所属。
(この記事は、夕刊フジ 2017/1/19発売号より転載しています)
毎週木曜日発売「夕刊フジ」で連載中
産経新聞社が発行する毎週木曜日発売の「夕刊フジ」紙面にて、「ゴルフ真剣勝負 the MATCH」に出演するプロのワンポイントレッスンを連載中です。
ゴルフ真剣勝負 the MATCH
プロによる1対1の真剣勝負をお届けする新番組。ゴルフ専門チャンネルだから見ることのできるマッチメイクで、プロ同士の真剣勝負を2時間にわたって放送。番組ではプロのテクニックに留まらず、クラブ選択や状況判断などのプロの考え方も紹介し、アマチュアゴルファーにも参考になる情報をお届けする。