短い距離ほど下半身が大事!上田桃子のアプローチを安定させる方法
2017年8月15日(火)午後1:41
ゴルフでやってはいけないことに、“手打ち”というのがありますが、一番手打ちになりやすいのが、大きなスイングをしないアプローチ。飛ばす必要がなく、目の前のグリーンに軽く打って乗せるだけなので、ついつい手で操作をしてしまう人が多いようです。手を使って打つのが何故いけないかというと、クラブの軌道が安定しないからです。不安定な軌道では、たまたま芯に当たったとしても、イメージ通りには転がってくれません。
手打ちにならないようにするためには、しっかり下半身を使ってスイングすることが重要なポイントになります。たとえ短い距離でも、テークバックでは腰をしっかり回し、インパクト~フォロースルーでも腰が目標を向くぐらい腰を回転させます(写真①)。また、この腰の回転と手の動きが一体となるようにすることも大事です。そしてそのためには、できるだけ手元を体から話さず、体に近いところに置いておくことがポイントになります。
アマチュアゴルファーに多いのは、インパクト~フォロースルーで腰の動きを止めてしまって、手だけを前に出していくパターン(同②)。ヘッドを真っ直ぐ出したいという気持ちがあるのでしょうが、このような動きでは、そもそもヘッドにきちんとボールが当たらないので、真っ直ぐどころか、ダフリやトップなどのミスにつながるので注意してください。
アマチュアの方には、スタンス幅やボール位置、体重配分などについてもよく聞かれるので、私のやり方を紹介しておきましょう。スタンス幅に関しては、個人の自由だと思います。私も、気持ち良く打てる広さで立っているだけで、この幅に特にこだわりはありません。ボール位置は、右足カカト線上あたりに置くようにしています(同③)。スタンス幅を少し広くしたいと思うなら、ボールを右足カカト線上にセットしてから左足を広げるといいでしょう。
体重配分に関しては、やや左足体重(左足6対右足4)で構えます。そして、スイング中、体重移動はしないで腰だけを回します。そうすることで、スイングそのものが安定し、方向性はもちろん、距離感も合いやすくなります。
上田桃子(うえだ・ももこ)
1986年6月15日熊本生まれ。07年に5勝を挙げ、史上最年少で賞金女王に輝いた。08年から米ツアーに参戦。17年5月の中京テレビ・ブリヂストンレディースで3年ぶり12回目の優勝を飾った。
(この記事は、夕刊フジ 2017/7/27発売号より転載しています)
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