グリーン上は恐ろしい場所!? 横田真一が教える脱・緊張の方法
2017年9月29日(金)午前11:55
皆さんが考えている以上に、グリーンの上というのは恐ろしいところです。何故なら、プロアマを問わず、どうでもいいパットというのはひとつもなく、常に「入れなきゃ」という気持ちになるため、ほとんどの人が緊張状態に陥るからです。
単にパッティングをミスするぐらいならまだいいのですが、緊張しすぎて心筋梗塞や脳梗塞を発症した人もいるくらい。皆さんを脅かすわけではありませんが、グリーン上というのは非常にプレッシャーのかかる場所だということを認識すると同時に、パッティングを成功させるためには、そのプレッシャーを取り除いてからストロークをすることが大切だということを頭に入れておいてください。
このような緊張状態から脱するためにはいくつかの方法がありますが、手軽にできて効果的な方法としてオススメしたいのは、「息を吐く」(写真①)ことです。
写真①
人は、緊張状態になると呼吸が浅くなり、肩がだんだん持ち上がり(写真②)、それが力みにつながり、結果的には自分の思い通りに筋肉が動かなくなってしまいます。
写真②
そういう状態に陥ったときにはゆっくり息を吐く。そうすれば、“リラックスの神経”ともいわれている副交感神経が優位になるからです。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあって、この2つが同時に活発に働くことはありません。つまり「休息しているとき」、「リラックスしているとき」、「眠っているとき」に働く“副交感神経”が優位になれば、「活動しているとき」、「緊張しているとき」、「ストレスを感じているとき」に働く“交感神経”は動きを止めます。つまり、「息を吐く」ことによって、自らリラックス状態を作り出せるということになります。
また、水をひと口含むというのもひとつの方法です。水を飲むと、その水は胃に達するわけですが、副交感神経を支配しているのがこの胃。だから、水ひと口でもそれが胃に届けば、リラックス効果があるというわけです。
パッティングをしようとすると、「心臓がバクバクする」、「手足が思うように動かなくなる」という人は、グリーンに上がる前に大きく深呼吸して、ゆっくり息を吐きましょう。そして、水を口に含む。そうすれば今までよりも落ち着いて、パッティングに臨めるはずです。
横田真一(よこた・しんいち)
1972年2月6日東京都生まれ。専修大学ゴルフ部出身。94年プロに転向し、同年シード権を獲得。97年初優勝。05年から2年間はJGTO選手会長として、低迷していたツアーを立て直そうと奮闘。10年キヤノンオープンで13年ぶりの優勝。現在はツアーに挑む傍ら、4スタンス理論や自律神経の研究を行っている。現選手会副会長。
(この記事は、夕刊フジ 2017/9/21発売号より転載しています)
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