とっておきのマル秘アドバイス!? 横田真一パッティングルーティーンの教え
2017年10月6日(金)午後1:17
パッティングの準備段階として、「息を吐く」、「水を口に含む」などの方法で、副交感神経の働きを促し、自らリラックス状態を作り出す必要があるという話を前回しました。しかし、いざグリーンに上がると、再び心臓がバクバクし始めるという人も多いようです。そうならないためにも、ショットを打つときと同じように、ルーティーンを確立しておくことが大事です。
ボールの位置を確認したらグリーン面を見て、傾斜や芝目を確認する。そして、ラインを読む。やるべきことさえやっていれば、その手順は人それぞれで構いませんが、いつも同じ動作、同じ時間で構えに入ってパッティングを終えること。特にしびれるようなパッティングほど、自分のペース(リズムとテンポ)を崩さないようにしましょう。
それともう一つ、アマチュアゴルファーにもぜひやって欲しいのは、すべての動作をゆっくり、しかもメリハリをつけてやることです。良い例として紹介したいのは、池田勇太プロのパッティングです。彼はいつも“悠然”とルーティーンを行っています。
たとえば、ラインを読むときも、ゆっくり歩いてボールの後ろに回り、“どっこいしょ”という声が聞こえるくらいゆっくりとした動作で腰を下ろし、それからおもむろにアドレスに入ります。あのようにゆっくりできるのは、完全に自分の世界に入っている証拠。もちろん、スロープレーと批判されるくらいダラダラするのはよくありませんが、できればあれくらい“悠然”とパッティングを行いたいものです。
さらに、誰にも教えたことのない、とっておきのアドバイスを。以前、アーチェリーのアテネオリンピック銀メダリストである山本博さんが、弓を射る瞬間の呼吸の状態について、次のような話をしてくれました。
「弓を射るときは基本的に息を止めているんだけど、少し鼻から漏れている感じがいい」
その話を聞いてからは、私もパッティングのストロークの際、少し息を漏らすようにしています。そうすれば、リラックスしながらも高い集中力をキープできるからです。ぜひ皆さんも試してみてください。確実にパッティングの精度が上がりますよ。
横田真一(よこた・しんいち)
1972年2月6日東京都生まれ。専修大学ゴルフ部出身。94年プロに転向し、同年シード権を獲得。97年初優勝。05年から2年間はJGTO選手会長として、低迷していたツアーを立て直そうと奮闘。10年キヤノンオープンで13年ぶりの優勝。現在はツアーに挑む傍ら、4スタンス理論や自律神経の研究を行っている。現選手会副会長。
(この記事は、夕刊フジ 2017/9/28発売号より転載しています)
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