シンプルに3つのポイントで美しいスイングを作る~谷将貴のプレ男レッスン~
2017年12月19日(火)午後4:37
―各回、プレミアムな男(プレメン)が考えるメソッドを単に「教わる」だけではなく、プロが唱える上達へのプロセスを「共感」し、自らも「考え」・「発見」してもらうレッスン番組。 今回はツアープロコーチの谷将貴氏が登場。シンプルなスイングこそが再現性も高く、無駄のない効率的で綺麗なスイングに至るという「simple swing理論」を実践するための谷氏のメソッドとは?
私は今まで33年間、アマチュアの方たちをたくさんレッスンしてきました。そこで気づいたことがあります。アマチュアの方たちはどうしてもスイングでやり過ぎてしまうことが多いです。なぜやり過ぎてしまうかというと、球を遠くに飛ばしたいとか、球が右に曲がるからそれを曲がらないように今日はこういう風にしてスイングしていこうとか、どんどんどんどん付け加えることによって、結局はやり過ぎてしまう。こういうことになってしまっているんだと思います。
そこで私は今回は皆さんにシンプルなスイングというのをご提供していきたいなと思います。今回のテーマは「美しいスイング作り アドレス~トップ」。
―美しいスイングが、ミスの少ない正確なショットを生む。まずはアドレスから。
アドレスというのは、基本的には「センターに立つ」ということが大切なんです。センターというのは何かというと、大体おへその下あたり、よく言われる「丹田」と言われる所です。スポーツでは重要とされていますがゴルフでも一緒で、点で例えるならこの丹田のあたりをイメージして、足の裏で例えるならちょうど拇指球ですよね。土踏まずのちょっと先の、親指の付け根のところですね。この辺のイメージで構えられると前後左右、大体真ん中に構えられます。
―アドレス作りのポイントは、丹田が体の中心に来るように意識し、膝が突っ張ったり、深く曲げすぎて力まないようにイメージします。構える前に下腹部に触れると、中心をイメージしやすくなるでしょう。また、足の拇指球あたりに体重をかけるようにすると、前後左右のバランスがとりやすくなります。
次は、アドレスからトップオブスイングまでの動作です。単純に上半身だけの動きを考えていった時にどこが動いているかというところなんですが、まず手首ですね。手首というのは、クラブフェースがボールを指す、ボールに向いているようなイメージで使っていくような感じです。それから、若干曲げていく右ひじ。もうこれで、腕の動きというのは基本的に終わりなんですね。アマチュアの人たちはこれ以上たくさんやろうとしすぎるのでオーバースイングになったりだとか、クラブフェースが開いてしまったりだとかということになります。で、そこから今度は、胸が右側を向くような感覚とか、背中がターゲットを向くようなイメージで動かしていきます。
―3つのポイントの中から、手首と右ひじについてもう少し詳しく。
ゴルフクラブというのは、非常にへんてこな形をしているわけですね。シャフトの真ん中ではなく上にクラブヘッドがついているんです。手でつかまえていると、フェースはスクエアになるんですけど、手をぱっと放すとたちまちクラブはフェースを開かせようとしてしまう。つまり、開こうとするものを開かせないようにする動作が必ず必要になるんです。そのために、若干ストロンググリップにする。そうすることで、手首の使い方がクローズをしやすい動作になっていきます。
これが例えば、ちょっとウィーク気味ですと、クラブフェースを下に向ける動きというのがつらくなってくるんですね。ですから、若干上から持つことによって、クラブフェースがスクエアな時間、ボールを指しているようなクラブフェースの使い方になりやすくなっていきます。これが上手く握れていないと、必ずフェースの開閉というのが行われてしまいます。そうすると、球って言うのは本当に捕まらなくなっちゃうんで、できるだけグリップというのは、ちょっとストロンググリップで握ります。
―続いて右ひじについて。
90度以上曲がるような動きは絶対ダメです。できるだけ角度を少なくしていきます。そうすると、胸の前にグリップのポジションが作りやすくなるんですね。曲げすぎてしまうと、体から外れすぎるようなトップになってしまう。胸の前にグリップのポジションがあればあるほど、力強いインパクトが作れるんです。
―右ひじを曲げすぎず、グリップのポジションを胸の前に作ることで、力強いインパクトを作りやすくする。グリップのポジションが胸の前から外れると力が伝わりにくくなります。さらに両ひじの距離が近く外側に開きすぎないこともポイントです。
3つのポイント「手首・右ひじ・背中」、上半身を動かすうえでこれが非常にシンプルな使い方になると思います。この3つをイメージして、参考にしていただければと思います。
―やり過ぎないための美しいスイングづくり。次はアドレスのドリルについて。
アドレスした時に、前傾を取っているポジションというのが、股関節から前傾が取れていると、股関節が上手く使えているんですが、背中から前傾を取ってしまうタイプというのは、どうしても体が伸びあがる動きになってしまいます。
―股関節に体重を乗せた前傾姿勢は、安定したスイングをするための重要なポイントです。
ではどういう風にして前傾を取っていくかというと、例えば重いものがあって、腰を入れて持ち上げる。そうすると、股関節というのは非常に入りやすくなってくると思います。やっていただくと分かるんですが、背中で持つと非常に力が必要になってくるんです。上半身の力、腕の力が必要になってくるんです。だけど、しっかりと腰を入れた状態で上げてくると、上半身の力も抜けてくる、ということになります。
―この他に前傾姿勢のコツとして「お辞儀」があります。胸を張って腰からお辞儀をする。股関節に体重を乗せた、きれいなアドレスにつながります。正しい前傾姿勢が出来るようになったら、重いものを利用して左右に小さく振る動作も足が使え、バランスの良いアドレス作りに役立ちます。