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歴史は全米女子オープンを超える!第118回目の伝統の大会「全米女子アマチュア選手権」
2018年8月15日(水)午後9:20
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全米プロゴルフ選手権と同じ週の8月6日から13日にかけて、女子アマチュア界の最高峰競技「全米女子アマチュア選手権」がアメリカ南東部テネシー州で行われました。
全米女子オープンが今年で第73回目に対し、全米女子アマはなんと第118回目と歴史の誇る伝統の大会。今年は記録となる世界から1,468人の女子ゴルファーがエントリーしました。25年前の同大会の総エントリーは442人ということですから競技志向の女子ゴルファーのハイペースで増加しています、そして世界各国から有望な選手が集まってきています。出場者の平均年齢は19.53歳。全米アマ(男子)の22.59歳ですから、若い選手が既に女子アマトップレベルの域に達していることがわかります。
決勝戦は大会7日目。35人のシード選手に加えて、予選を勝ち上がった選手を含めた計156人からスタートした今年の大会は、2ラウンド36ホールのストロークプレーで64人に絞られました。ノックアウト方式のマッチプレーで勝ち残った2人の選手はクリスティン・ギルマン(米)とチョン・ジウォン(韓国)。
ギルマン選手はアラバマ大学の3年生。日本のゴルファンには記憶に新しいと思いますが、滋賀県瀬田で行われたJLPGA競技「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」で通算17アンダー、2位に4打差をつける圧勝でアマチュア優勝している実力者です。ギルマンは4年前、2014年にテキサス州の高校生だった16歳の時に、現在LPGAツアーで活躍するブルック・ヘンダーソン(カナダ)を下し優勝した経験があります。昨シーズンのNCAA全米大学全国大会では団体準優勝しています。
チョン・ジウォン選手は、15歳で韓国からオーストラリアにゴルフ留学、高校卒業後、プロ転向はせずに5月までフロリダにあるデイトナ短期大学に通っていて、今月末からはなんとギルマンが通う同じアラバマ大に転校、つまりチームメイトになります。
準決勝ではこの両選手が最終ホールで「外したら負け」という厳しい状況の中で見事なパットを沈めました。延長エキストラホールで勝ち上がり決勝は「アラバマ大学 女子ゴルフ部員」2人の争いになりましたが、その結果はギルマン選手が「7&6」というま大差がつき、2014年大会に続く2勝目を果たしました。
日本人選手は3人が参戦していました。カリフォルニア予選でトップ通過を果たした山口すず夏さんは、神奈川県共立女子第二高等学校3年の18歳。 笹生優花さん(17歳 / 代々木高校2年)は2016年の同大会準々決勝で畑岡奈紗さんを破りベスト4進出し、今年は予選免除のシード。そしてカンザス大学に留学している大阪出身の田所星良さんは、大学のあるローレンス会場で見事通過して大舞台の場を経験しました。田所さんは通算6オーバー、予選通過ラインに3打足りずマッププレーには参加はできませんでした。
山口さんは36ホールのストロークプレーで通算6アンダー(67-69=136、パーは71)の4位タイという好成績でマッチプレーに駒を進めました。 1回戦はテキサス出身の大学生リード・アイザックさんを「3アンド2」で下しましたが、2回戦でスウェーデンナショナルチームでフロリダ州立大学のビアトリス・ワーリンとの接戦を1ダウンで惜敗。内容的には非常にレベルの高いマッチ。 両選手ともボギーは無し、5つバーディーを奪った山口さんは6つバーディを取った相手に敗れてしまいました。山口さんは今月末アメリカのLPGAツアー QT1次予選に挑戦するということです。
笹生さんは、ストロークプレー2日目に2つのダブルボギーを喫してしまいましたが、通算1オーバー(68-75)で無事に予選通過(48位タイ)。 1回戦は地元テネシー出身のギリアムさんを「4アンド3」、2回戦は全米学生団体優勝のアリゾナ大学のエース、ムーアさんを「3アンド2」で退け3回戦に進出。
3回戦の相手は大学ゴルフ界の個人トップランクのL・スティーブンソン(アラバマ大学)。 いきなり最初の3ホールを献上し3ダウンとなった笹生さんは、9番から3連続でホールを奪取して残り5ホールを残し2アップとなり優位な立場になったと思われた瞬間、雷雨でプレーは中断となってしまいました。そして再開後は14番、15番とホールを奪われてしまい、オールスクエアーに並ばれてしまいます。 勝負の分かれ道となったのは17番パー5でした。2打目を右のラフに入れてしまったスティーブンソンは、3打目をグリーンに乗せるものの15メートル。 笹生はグリーン手前からの3打目を6メートルにつけていました。
スティーブンソン曰く「下側(右側)に外れたと思った」というロングパットは伸びの良い転がりでカップの底に沈みバーディー。 笹生は強めのタッチでカップ横を逸れバーディならず。このリードを守りきったスティーブンソンが笹生を下し日本勢は3回戦で姿を消してしまいました。
日本人としては1985年に服部道子が17歳の時にストロークプレーメダリストからマッチ6連勝するという完全優勝で栄冠を掲げています。ストロークプレーメダリストでは服部(1985年、1986年、1987年)の他に、松原由美さん(当時14歳)が2013年、サウスカロライナ州チャールストンで135ストロークで第1シードを獲得していました(マッチは2回戦敗退)。
全米女子アマは公式ハンディキャップ5.4以下の女性ゴルファーが対象(プレーフィー込みのエントリーフィーは175ドル)。全米女子オープンは日本や韓国、中国、英国でも地区予選を実施するようになりましたが、予選は米国とカナダのみ実施となっています。
(取材・文・写真:アンディ和田)
全米女子オープンが今年で第73回目に対し、全米女子アマはなんと第118回目と歴史の誇る伝統の大会。今年は記録となる世界から1,468人の女子ゴルファーがエントリーしました。25年前の同大会の総エントリーは442人ということですから競技志向の女子ゴルファーのハイペースで増加しています、そして世界各国から有望な選手が集まってきています。出場者の平均年齢は19.53歳。全米アマ(男子)の22.59歳ですから、若い選手が既に女子アマトップレベルの域に達していることがわかります。
決勝戦は大会7日目。35人のシード選手に加えて、予選を勝ち上がった選手を含めた計156人からスタートした今年の大会は、2ラウンド36ホールのストロークプレーで64人に絞られました。ノックアウト方式のマッチプレーで勝ち残った2人の選手はクリスティン・ギルマン(米)とチョン・ジウォン(韓国)。
ギルマン選手はアラバマ大学の3年生。日本のゴルファンには記憶に新しいと思いますが、滋賀県瀬田で行われたJLPGA競技「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」で通算17アンダー、2位に4打差をつける圧勝でアマチュア優勝している実力者です。ギルマンは4年前、2014年にテキサス州の高校生だった16歳の時に、現在LPGAツアーで活躍するブルック・ヘンダーソン(カナダ)を下し優勝した経験があります。昨シーズンのNCAA全米大学全国大会では団体準優勝しています。
チョン・ジウォン選手は、15歳で韓国からオーストラリアにゴルフ留学、高校卒業後、プロ転向はせずに5月までフロリダにあるデイトナ短期大学に通っていて、今月末からはなんとギルマンが通う同じアラバマ大に転校、つまりチームメイトになります。
準決勝ではこの両選手が最終ホールで「外したら負け」という厳しい状況の中で見事なパットを沈めました。延長エキストラホールで勝ち上がり決勝は「アラバマ大学 女子ゴルフ部員」2人の争いになりましたが、その結果はギルマン選手が「7&6」というま大差がつき、2014年大会に続く2勝目を果たしました。
日本人選手は3人が参戦していました。カリフォルニア予選でトップ通過を果たした山口すず夏さんは、神奈川県共立女子第二高等学校3年の18歳。 笹生優花さん(17歳 / 代々木高校2年)は2016年の同大会準々決勝で畑岡奈紗さんを破りベスト4進出し、今年は予選免除のシード。そしてカンザス大学に留学している大阪出身の田所星良さんは、大学のあるローレンス会場で見事通過して大舞台の場を経験しました。田所さんは通算6オーバー、予選通過ラインに3打足りずマッププレーには参加はできませんでした。
山口さんは36ホールのストロークプレーで通算6アンダー(67-69=136、パーは71)の4位タイという好成績でマッチプレーに駒を進めました。 1回戦はテキサス出身の大学生リード・アイザックさんを「3アンド2」で下しましたが、2回戦でスウェーデンナショナルチームでフロリダ州立大学のビアトリス・ワーリンとの接戦を1ダウンで惜敗。内容的には非常にレベルの高いマッチ。 両選手ともボギーは無し、5つバーディーを奪った山口さんは6つバーディを取った相手に敗れてしまいました。山口さんは今月末アメリカのLPGAツアー QT1次予選に挑戦するということです。
笹生さんは、ストロークプレー2日目に2つのダブルボギーを喫してしまいましたが、通算1オーバー(68-75)で無事に予選通過(48位タイ)。 1回戦は地元テネシー出身のギリアムさんを「4アンド3」、2回戦は全米学生団体優勝のアリゾナ大学のエース、ムーアさんを「3アンド2」で退け3回戦に進出。
3回戦の相手は大学ゴルフ界の個人トップランクのL・スティーブンソン(アラバマ大学)。 いきなり最初の3ホールを献上し3ダウンとなった笹生さんは、9番から3連続でホールを奪取して残り5ホールを残し2アップとなり優位な立場になったと思われた瞬間、雷雨でプレーは中断となってしまいました。そして再開後は14番、15番とホールを奪われてしまい、オールスクエアーに並ばれてしまいます。 勝負の分かれ道となったのは17番パー5でした。2打目を右のラフに入れてしまったスティーブンソンは、3打目をグリーンに乗せるものの15メートル。 笹生はグリーン手前からの3打目を6メートルにつけていました。
スティーブンソン曰く「下側(右側)に外れたと思った」というロングパットは伸びの良い転がりでカップの底に沈みバーディー。 笹生は強めのタッチでカップ横を逸れバーディならず。このリードを守りきったスティーブンソンが笹生を下し日本勢は3回戦で姿を消してしまいました。
日本人としては1985年に服部道子が17歳の時にストロークプレーメダリストからマッチ6連勝するという完全優勝で栄冠を掲げています。ストロークプレーメダリストでは服部(1985年、1986年、1987年)の他に、松原由美さん(当時14歳)が2013年、サウスカロライナ州チャールストンで135ストロークで第1シードを獲得していました(マッチは2回戦敗退)。
全米女子アマは公式ハンディキャップ5.4以下の女性ゴルファーが対象(プレーフィー込みのエントリーフィーは175ドル)。全米女子オープンは日本や韓国、中国、英国でも地区予選を実施するようになりましたが、予選は米国とカナダのみ実施となっています。
(取材・文・写真:アンディ和田)
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