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プロゴルファーと社会人、“二足のわらじ”でも活躍中!寺西明と山添昌良のラウンジトーク

2019年11月22日(金)午前11:37

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 シニアツアーで活躍しているプロゴルファー寺西明(シニア3勝)と山添昌良(シニア3勝)が、CS放送ゴルフネットワークで11月放送中の「ゴルフ真剣勝負 the MATCH~寺西明vs山添昌良~」のなかでクラブを置いてラウンジトーク。プロゴルファーと社会人という“二足のわらじ”ながら、シニアツアーでそれぞれ3勝している二人。その対談内容は、ゴルファーとしても社会人としても参考になる金言ばかりでした。
 
シニアツアーをここまで盛り上げてくれた先輩たちに感謝


寺西 山添さんはシニアツアーに入って今年で3年目になりますが、どうですか、シニアツアーは。

山添 最高に楽しいですね。ゴルフを続けることができて、しかも試合に出られるなんて本当に幸せです。

寺西 先輩ゴルファーのいじめにあったりしていませんか(笑)。

山添 それはないですね。先輩方も皆優しいですからね。寺西さんに少しいじめられているぐらいかな(笑)。

寺西 でも本当に良かったですよね。推薦で出場した「金秀シニア沖縄オープン2018」で優勝したんですもんね。あれ以降、素晴らしいゴルフ人生になったんじゃないですか。

山添 本当にラッキーでした。あの優勝で自分のゴルフ人生は変わったと思っています。その点、寺西さんは自分の力で人生を変えてきましたよね。

寺西 いやいや、自分の力というより皆さんのおかげですよ。私は会社を経営していて、今も二足のわらじを履いていますが、ゴルフは49歳までアマチュアでしたからね。2016年のプロテストに合格し、2017年から試合に出させてもらって2年目で優勝と、とんとん拍子にきたわけですが、それもこれも仕事の関係者や従業員、家族など周囲の人の協力や応援があったればこそ。皆さんには感謝してもしきれないくらい。

山添 寺西さんの言葉だけに重みがありますね。

寺西 感謝と言えば、PGA(日本プロゴルフ協会)並びに、今日の組織を作り上げてこられた諸先輩方にもお礼が言いたいですね。レギュラーツアーで活躍した人だけでなく、私のようなアマチュアにも門戸を開いていただいているわけですからね。PGAは本当に寛大だなと。

山添 私もシニアツアーの先輩方には本当に感謝しています。皆さんの努力によってシニアの試合がこんなに増えましたからね。先輩方には常に感謝すると同時に、先輩たちの努力を後輩たちにもしっかり伝えていかなければいけないと思っています。

寺西 私もそう思います。それだけに恩返しの意味でももっと頑張らないといけないと思っています。やはりスポーツ選手としてやるべきことは、最高のパフォーマンスを発揮することですからね。

山添 本当にそうですね。それはそうと、プロになられてアマチュア時代とはゴルフが変わりましたか?

寺西 プロになって強く感じたのは、「一打一打の重みの違い」ですね。1つのパットが入るかは入らないかで賞金は変わってくるし、もっと言えば賞金ランキングも変わってきて、それがシード争いにも関わってくる。アマチュアのときもウイニングパットで震えたことがありますが、震え方がまったく違う。プロになって初めてプロの悩みが分かったような気がします。もっともまだ、本当の恐ろしさを味わっていないのかもしれませんが。山添さんは、いつ頃からシニアツアーを意識し始めたんですか?

山添 45歳ぐらいですね。僕の場合、レギュラーツアーでは思ったような成績が残せなかったので、シニアツアーに出るということが大きな目標になりましたね。あと5年で出られる。そのためには何をするべきか。そんなことを考えながら練習をしていました。
 
2人とも試合のない日は仕事に勤しむ
山添 ところで会社の社長さんだということは知っているんですが、どんなお仕事をされているんですか?

寺西 今はいろいろなことをやっていましてね。携帯電話やプリンターを作る、いわゆる製造業のほか、物流関係や人材派遣なんかもやっています。

山添 手広くやっていらっしゃるんですね。けっこうお忙しいでしょう。

寺西 正直言って忙しいですね。試合があった週は、日曜日の帰りが遅くなっても、月曜日の朝5時か6時には会社に行って書類に目を通したり、お客さんのところに顔を出したりしています。とは言っても、できることはしれていますからね。従業員をはじめ、皆さんの理解がないとできないですよ。ところで山添さんはどんなお仕事を?

山添 ゴルフウエア(ジャックバニー)を扱うショップの店員をやっています。

寺西 毎日?

山添 ええ。試合のないときはお昼の12時から夜の7時まで。

寺西 じゃあ規則正しい生活を送っているわけだ。

山添 そうですね。基本的には午前中、練習場へ行ってから出勤して、7時まで真面目に働いています。

寺西 それから家に帰ってご飯を食べると寝るのも遅くなるでしょう。

山添 いえ、夜6時過ぎは何も食べないようにしているんですよ。朝起きたらまず朝食を取り、出勤前に昼食、そして午後3時の休憩時に晩ご飯を食べるといったように3食はしっかり食べていますが、夜は食べない。

寺西 それは減量のため? そういうことをしていたらかなり痩せるでしょう?

山添 確かに最初のうちはガクンと体重も落ちましたけど、慣れてくるとそんなには落ちないですよ。

寺西 そういうもんですか。お酒は?

山添 まったく飲まないです。寺西さんは飲みそうですね。

寺西 以前はビールなら20~30本、ワインなら4~5本開けるくらい飲んでいたんですが、今、禁酒しているんですよ。

山添 ゴルフのためですか?

寺西 実はある目標があってね。その目標を達成するまでは止めようと決めたんです。目標についてはお話しすることができないのですが。

山添 分かりました。聞かないようにします。その代わり達成したら教えてくれますか?

寺西 多分その時は分かると思います。浴びるほど飲んでいると思うから(笑)。
優勝することがお世話になっている人への最高の恩返し


山添 ゴルフはいつ頃から始められたんですか?

寺西 練習場は父に連れられて小学生の頃から行っていたんですが、本格的にやるようになったのは20代後半ですね。

山添 遅かったんですね。

寺西 自慢話になるんですけど、子どものときからボールが曲がったという記憶がなくてね。それを見ていた大人たちからもプロを目指せと言われたこともあったんですが、そこまでやる気にはなりませんでした。

山添 何か理由が?

寺西 プロゴルファーというものがもう一つよく分かっていなかったのと、プロ野球選手になりたいという気持ちもあったからだと思います。野球のほうは家庭の事情もあって断念したんですが、社会人になってからはもっぱらビリヤードをやっていました。それこそアマチュアのトップを目指してね。

山添 ゴルフは仕事のつきあいで始められたんですか?

寺西 そうですね。でも、やっているうちに上手くなりたいと思うようになって。ビリヤードの経験から、上手くなるためには試合に出なければいけないということが分かっていたんでパブリック選手権に出るようになってと、それからはどんどんゴルフの世界にハマっていきました。

山添 プロになろうと思ったのは?

寺西 プロでやってみたいと思うようになったのは40歳を過ぎた頃ですね。しばらく悩んでいたんですが、周りの人の後押しもあって区切りを付ける意味でも一回だけプロテストを受けてみようと。それで、49歳のとき(2015年)に受けたんです。

山添 上位合格されたそうですね。

寺西 確か8位でしたね。で、16年シニアツアー最終予選会(QT)で6位になってシニアツアーに参戦させていただいて、17年はシード権も獲得してと、自分でも怖いくらい順調に来ていますね。

山添 それだけ練習をされているからですよ。

寺西 そうですかね。

山添 私が今でも忘れられないのは、初めて会ったときのこと。まだアマチュアだった寺西さんと一緒に練習ラウンドさせていただいたんですが、驚いたのはラウンド直後。寺西さんがキャディさんに向かって、「よし、トレーニングに行くぞ」って声を掛けたんですよね。あれはショックでしたね。プロの私がホテルに帰ってゆっくりしようと思っていたのに、アマチュアの寺西さんが練習に行くと言っている。「オレは何やってんだ!」と。ホント目が覚めました。

寺西 なるほど、山添さんが今頑張っておられるのは私のおかげでもあるんですね(笑)。

山添 アマチュアでもトップにいる人は普通の人とは違うんだなと。確かにラウンド後の練習は大事なんですよね。体も温まっているし、ショットの感覚も残っているし。

寺西 そうなんですよね。私もナイスショットをした感覚を持ったまま練習するのが一番いいと思っています。せっかく良い感触をつかんでも1日経ってしまうと、「あれ、どうだっけ?」ということになってしまいますからね。もちろん、ミスの反省も大切だけど、ミスに関してはどうしてミスを犯したかを確認して終わり。それ以上は考えないようにしています。

山添 それにしても遅くまで練習をしていますよね。

寺西 本音を言いますとね、うちの会社の就業時間は8時~17時でして、ゴルフとはいえ従業員が仕事をしているときに家に帰るというのは気が引けるんですよ(笑)。

山添 多分、シニアツアーで一番練習量が多いのは寺西さんかも。

寺西 山添さんだってやってるじゃないですか。朝早くから走っている人がいるなと思ってみたら、山添さんだった(笑)。

山添 さっきも言ったように、ゴルフができるだけで幸せですから。

寺西 そうですよね。それに応援してくれている人もたくさんいるし。ギャラリーの中には、「夢みせてもらってるで~」と声を掛けてくれる人がいるんですが、そういう言葉を聞くと本当に嬉しいし、もっと頑張らないといけないと思いますね。

山添 お世話になっている人に対しての最高の恩返しは、優勝することですものね。それが感謝の気持ちを伝えることにもなる。

寺西 少しでも皆さんに喜んでもらえるようにこれからもお互い、貪欲に頑張りましょう。

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