日本中に勇気を与えるべく、国内男子ツアーが待望の開幕だ。東建ホームメイトカップ（三重・東建多度CC）は、マスターズ20位タイの石川遼、昨年賞金王の金庚泰（韓）、池田勇太らを中心に熱い戦いが繰り広げられる。

　石川は今季の獲得賞金すべてを東日本大震災被災者に贈ることを宣言。すでにその第一歩となるマスターズで初の予選突破を果たした。だが、決して現状に満足することはなく、マスターズを振り返り「3日目に伸ばせなかったことが心残り」と、悔しさをあらわにした。

　その結果、導き出された今季の戦い方が「勝つか負けるかの戦いをしたい」というものだった。大舞台から帰国する機内で、国内開幕に向けてひたすらスイングを模索。結論を導き出しての国内戦突入で、エンジンはすでに全開だ。

　いいゴルフをして感動を与えるというプロゴルファーのあるべき姿を、震災で改めて思い知った形となった石川だが、実は被災地入りも希望しているようで、「いつになるかわからないが（被災地に）行きたい気持ちはある」と語っていた。

　マスターズ予選落ちに男泣きした池田勇太は「その悔しさとやってきたことをぶつけたい。日本ツアーで優勝を狙いたい」と気持ちをしっかり切り替えた。こちらは2年連続で賞金王争いに最後の最後で敗れているだけに、今年こそタイトルを取りたい気持ちは強い。もちろん、母校、東北福祉大のある第二の故郷への思いも背負ったまま、新シーズンに臨む。

　史上初の開幕戦三連覇がかかる小田孔明は「ここには僕の神様がいる」と、胸を張っており、偉業に向けて準備万端だ。